販売日本一、物件時価13億円の大家が教える「失敗しないマンション投資」
投資物件としてリスクの高い物件は…
投資目的の物件のなかでも、そのリスクに気をつけたいのが新築マンションです。先日も、東京都大田区にある3200万円ほどの新築ワンルームマンションをすすめられているお客様がいて、私のところへ相談に来られました。
お話をうかがって調べてみると、そのエリアの新築マンションとしては、やや高い価格でした。周辺にある同条件で築年数10年前後の中古物件の多くは2000万円台前半。中古物件であれば、1000万円近く割安で手に入るエリアでもあったのです。
しかも、同じエリアの家賃相場は月額9万円ほどなのですが、そのお客様がすすめられている新築マンションは家賃11万円で募集していて空室のままの状態。新築ワンルームマンションとして最初は高めの家賃が見込まれたとしても、いずれ家賃は下げざるをえないエリアであることがわかりました。
新築マンションはいずれ「新築」でなくなる
つまり、新築マンションは、たとえワンルームでもこのように投資目的としてはもともとハードルが高いのです。まして、それが相場よりも割高な価格であったとしたら、利益を出すまでの期間も大きく変わってしまいます。
もちろん、新築マンションを売る側の気持ちも推察できます。なぜなら売るほうの不動産会社も、いちばん高く売れるタイミングで新築マンションを誰かに買ってもらわなければ、利益に影響が出てしまいます。
販売に時間がかかれば、新築マンションもいずれ「新築」ではなくなってしまいます。ですから、営業マンとしてはなんとしても新築のうちにセールスしなければならないのです。
そのため、不動産投資には関心があっても、不動産投資事情にあまり詳しくない会社員や、投資意欲の高い弁護士、医師など「士師業」の方たちをターゲットにして、必死でセールスしているのです。もっとも、別の見方をすると、誰かが割高な新築マンションを買ってくれたおかげで、中古マンションに投資するほうは、割り安になった物件を活用して資産運用できると言えるわけですが……。