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硬直化した「日本型ボーナス」は廃止へ。若手が賃金アップしない一因にも

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ジョブ型雇用の導入でボーナス廃止へ

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 さらに、日本企業には在籍していても事実上仕事がない、「社内失業者」が正社員の1割、約400万人いるとされます。その多くは中高年で、彼らの高収入を担保している制度のひとつが、個人の成績に関係なく支給されるボーナス。余剰な雇用に対してコストが発生しているため若手社員の賃金上昇も難しくなります。

 このような日本型雇用に対して、諸外国のスタンダードであるジョブ型雇用の導入が近年議論されています。ジョブ型雇用では、会社の規模に関係なく労働者のスキルに対して報酬が払われます

 例えば、マーケティング担当として入社した人はどの会社でもスキルに応じた同じ給料が払われるので、これまでのように大企業に在籍すれば年収1000万円だが、中小企業だと400万円に下がるということはありえない。

 となると今後は、具体的なスキルを持たない「本業は課長」のような人の環境が変わります。会社にいるだけで当たり前にボーナスがもらえる社会ではなくなるのです。

<取材・文/沼澤典史(清談社)>

【加谷珪一】
経済評論家。日経BPの記者を経て、野村證券グループの投資ファンド運用会社で投資業務を担当後、独立。経済、金融、ビジネスなどさまざまな分野で執筆活動を行っている

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