「今さら無理…」働かないおじさんは、なぜ生まれるのか?出世レースから外れた人たちの本音
重要なのは彼らを頭ごなしに否定しないこと
その後、改善プランを自ら立ててもらいました。そのプランをもとに上司と話し合い、相談を受けた上司も定期的に面談をしながら「できたことは褒める」「できなかったことは指摘する」「必要に応じてアドバイスを送る」という取り組みを、3~6か月という長期間にわたり粘り強く続けました。
改善に向けた活動で重要なのは、彼らを頭ごなしに否定しないことです。たしかに、今でこそ低評価の状態ですが、かつては会社の業績を支えた重要な戦力だった人たちです。その自負を本人も持っている場合が多いです。だからこそ、法改正や環境変化により以前のように活躍できない現状に、上司以上に本人が不満や閉塞感を感じているのです。
彼らの過去の活躍や今後の改善を信じたうえで、変わらなければいけないこと、変われば活躍できることを丁寧に説明し続けました。
若手社員に混じって勉強会に参加するベテランも
その結果、ある受講者は、若手社員に混じってそれまで全く出ていなかった朝の勉強会に自発的に出て勉強し始めました。
それまでは営業所でもベテランということもあり、情報交換や相談できる相手もおらず孤立気味でした。しかし、余計なプライドをいったん捨てて若い人と一緒に新しい営業スタイルを学ぶことによって、「あの人変わったよね」「本気で頑張ろうとしている」とだんだんと周りの見る目が変わり始め、新しい人間関係もでき始めたのです。
そして3~6か月が経過すると、徐々に成果が出始め、改善期間とされた1年が経った頃には、「今のグレードで求められているパフォーマンスが出始めているので、これまでと同じ処遇で活躍してください」と前向きな評価が下されたのです。