過疎化の町で移動販売に挑む27歳女子、過酷な現実にネットで共感の嵐
彼女自身にとっても利用してくれるお客さんの存在は大きいものになっています。
番組内でも「何回も、何回もお客さんのところへ売りに行くうちに自分の中ですごい大事な存在になってくる。『自分にできる限りのことはしたいな』と思う」と語り、儲けも休みも少ない中、この事業を続けています。
止まらない人口減少と地方の過疎化
総務省統計局の「日本の統計 2018」によると、日本の総人口は2008年にピークを迎え2011年以降は減少が続いています。
2017年10月1日の推計人口は前年より22万7000人少ない1億2670万6000人で、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は27%を超え、過去最高の数値となっています。また、同統計では、2020年には総人口は160万人ほど減少するという予測がされています。
国土交通省の「国土の長期展望」においても、長期的には人口が急減する可能性が示唆されており、2100年には明治時代後半の人口と同じ程度の3770万人になる予測が出ています。
2017年4月1日までに過疎地域に指定された地域は全国で647か所あり、東真央さんの住む紀北町もまた過疎市町村に指定されています。
残念なことですが、今後このような過疎地域は増え続けるでしょう。
「彼女のような人が報われる社会を」ネットでは応援の声
番組でも劇作家の元谷有希子さんが「あんまり犠牲を払ってほしくない。自分の側を削ってやっていくというのがいつかしんどくなるかなあと思う」と涙ぐみながら話す場面があり、インターネット上でも共感の声が集まりました。
その他にも、
「彼女のことをすごく応援したいけど、同時に心配な気持ちになった」
「こういう人こそが報われる社会になってほしい。どうにかできないものだろうか」
「とても同年代とは思えない。感動して泣いてしまった」
彼女の取り組みを素晴らしいと思う一方、心配を拭えないという声が少なくありませんでした。
厳しい状況の中、それでも地元に残って、笑顔を絶やさず生きていく姿に胸を打たれる思いです。この時代の流れを変えることは難しいことかもしれませんが、少しでも状況が好転することを願って止みません。
<TEXT/湯浅肇>