資産運用を学べる“お金”マンガ4選。冬ボーナスが待ち遠しくなる
3:身近なようで知らない不動産業界の内情
『正直不動産』
作者名:大谷アキラ/夏原武/水野光博
出版社:小学館
「千三つ」という言葉をご存じでしょうか? 不動産業界の用語で「家が欲しいという話が千件あっても、3つくらいしか契約がまとまらない」という意味ですが、もともとは「千の言葉のうち本当のことは3つしか言わない」、つまり「嘘つき」という意味です。
『正直不動産』は、そんな不動産業界で嘘をつきまくりトップ営業にのしあがった主人公・柿沢が、あることをきっかけに「嘘をつけなくなる」という症状に見舞われ、「正直」な営業で戦っていく物語です。
マンション売買やアパート経営、貸店舗など、街には多くの不動産がありますが、身近なようでいて、その実情は知らないことが多いのでは?
「悪徳オーナーが若い女性ばかりを入居者させて、ストーカーを装い、無言電話をかけるなどして入居者を追い出しては募集するを繰り返し、敷金・礼金でもうけを出す」
「マンション売却には不動産業者と仲介契約を結ぶことが義務付けられているが、売り手に自分の不動産会社と専任契約を結ばせ、買い手も自分たちで探すことで、売り手と買い手の両方から仲介手数料をもらう“両手”という手法をとる不動産営業もいる」
などなど、『正直不動産』では、業界の人間でなければ知ることができない内情がたくさん描かれています。
長ければ35年のローンを組んで家を買う人も少なくありません。不動産投資に興味がある人だけでなく、これから家を買う人も知っておくべき知識の詰まったマンガです。「千三つ」の世界を「正直」営業で切り拓いていく柿沢のお仕事スタイルも痛快!
4:100万円を1か月で倍にする方法とは?
『M.I.Q.』
作者名:マスヤマコム/浅井信悟/冨田かおり
出版社:講談社
主人公・三浦アキラの高校に突然やってきた、怪しい情報科教師の黒場新太。「お前たち若い奴らに金について教えに来た」と言い放つと「100万円を1か月で倍にする方法を考えろ」と課題を与えます。
貯金、競馬など様々な答えが生徒から飛び出しますが、どれもアウト。黒場の正解のひとつは「株」でした。しかしたった1か月で倍にできるほど株価が上がることはありえません。生徒にそう指摘された黒場の答えは……?
『M.I.Q.』の連載時期は、株式市場のオンライン化をきっかけにデイトレードが可能になった2000年代。手数料の自由化や、ネット証券会社の普及により、誰もが株式の市場に参入できるようになった時期です。それから20年近くが経った今や、スマホ一つで誰でも株取引ができるようになりました。
基本的なチャートの見方も描かれているので、デイトレードって何? という初心者でもすんなり理解できます。デイトレードの世界が分かるとともに、若い世代がどうお金と向き合っていくべきか、考えさせられるマンガです。
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以上、冬ボーナス支給時期の今おすすめの“お金”マンガ4作品を紹介させていただきました。
マンガを通して金融や経済の基礎知識を得ることで、今まで分かっていなかったお金の仕組みがクリアに理解できるようになるはず。そのうえで自分とお金の付き合い方を再考することで、自分にとって本当に大事なことが見えてくるかもしれません(もちろん投資にはリスクもつきものなので、実践するときは慎重に)。
<TEXT/総合電子書籍ストア「ブックライブ」 西村 葵>