自己否定がなくなる1日5分の心の習慣。「自分なんて…」はもうオシマイ
書くことで、感情の理解度が高まる
自分を客観的に見るというプロセスを極めて効果的に進める手法のひとつが、「その日に出た感情を簡単なメモに残す」というやり方です。これをやるだけで、「感情の見える化」を進めることができます。
1日の終わりに、その日起きたことで、あなたの感情が大きく動いたことをメモに残していくことで、あなたの感情の出方についてのデータベースができていきます。メモには、怒りや恐れの感情だけでなく、悲しみや嫌悪、そして喜びや共感など、ありとあらゆる感情を残すことが大事です。
日々メモに残し続けることで、データベースはより豊富になり、あなたの感情の出方についての自己理解が深まっていきます。やがて、あなたの感情の出方に一定のパターンがあることが分かるでしょう。感情の出方のパターンがわかれば、そのパターンに対する対策が取れるのです。
幸福感が高まり、不安が和らぐ効果も
また、書くという行為と感情処理の関係の研究で著名なテキサス大学のジェームズ・ペネベイカーの研究によると、感情的に負担の大きかった出来事について、書き出し続けることによって、心身の健康が著しく向上することがわかっています。幸福感が高まり、憂鬱な気分や不安が和らぐ効果があると言います。この点も、感情をメモに残すことの大きなメリットでしょう。
さらには、感情の出方のパターンを理解することで、あなたが生きるうえで大切にしていること、つまりあなたの価値観についての理解の解像度が高まっていくことも起こってきます。
なぜなら、あなたの感情は、あなたの価値観から生み出されているからです。
例えば、「自然との共生」という価値観を大切にしている人が、アマゾンの森林が大型機械でどんどんと伐採されていくような映像を見たら、強い怒りや虚しさを覚えるでしょう。その価値観が強いがゆえに、それがないがしろにされていることに、感情が大きく反応するのです。逆にここに価値観がない人は、「人間の生活には木がいるので仕方がないな」という感じで、感情はあまり揺さぶられません。