彼女と海外旅行で大ゲンカに。原因は「キャッシングは借金か、どうか」
買い物する際、クレジットカードで決済する人は多いと思いますが、もうひとつのキャッシングサービスを使う人はそれほど多くありません。本人の収入や利用状況はもちろん、カード会社によって事情は異なりますが、20代の社会人であれば数十万円のキャッシング枠が付いているはずです。
とはいえ、キャッシングはお金を借りることになり、つまりは借金ということ。利用することに抵抗感を覚えるのは当然のことです。
海外ではクレカのキャッシングを利用
コロナ前は毎年2~3回のペースで海外旅行を楽しんでいたという会社員の浅間大樹さん(仮名・29歳)はこう語ります。
「カードのキャッシング機能って海外旅行のときは便利なんですよ。両替屋で日本円を現地通貨に替えてもらうのも手数料がかかるじゃないですか。もちろん、現地のATMでキャッシングサービスを使っても手数料はかかりますが、両替するよりは安く済むんです。だから、私は海外旅行の際は、重宝して結構使っていたんです」
いつもは勝手気ままな一人旅だそうですが、25歳のとき、当時付き合っていた同じ歳の彼女と2人でイタリアを旅行。ところが、あることがきっかけで大ゲンカになってしまいます。
「その理由というのが旅先でのクレカのキャッシングです。空港のATMでお金を下ろしたときは、ちょうど彼女が近くの両替カウンターに並んでいたせいか、何も聞かれることはなかったんです。でも、そのときの100ユーロをすぐに使ってしまったので、2日後にローマ市内のATMで追加でもう100ユーロ分を借りたんです。
このとき彼女に『海外でも引き下ろせる銀行口座持ってるの?』と聞かれ、カードのキャッシングと答えたんです。そうしたら『えっ、借金したの? 信じられない!』って急に不機嫌になってしまって……」
不本意ながら彼女に謝罪
浅間さんは現金を両替するよりキャッシングのほうが手数料が安いこと、無利息期間が設けられているので帰国後すぐに返済すれば利息を取られずに済むことを丁寧に説明。しかし、彼女は理解を示そうとせず、取り付く島もない状態だったそうです。
「まさかキャッシングにここまで強い拒否反応を示すなんて正直驚きました。けど、私は自分で言うのもなんですが、趣味の旅行以外には無駄使いはほぼしませんし、年齢の割にそれなりの貯金だってあるほうです。そういったことも含めて彼女には話しましたが、『借金には変わりないじゃない!』の一点張りで……。
それから彼女はこちらが話しかけても相槌を打ったり、一言二言返事をするだけでほぼ無言。旅行はまだまだ続くのに、こんな雰囲気だと楽しめないじゃないですか。だから、正直不本意でしたが、自分から折れる形で彼女に謝ったんです」
この謝罪で彼女も納得したのか、それからは機嫌も元に戻り、何事もなかったかのように旅行をしていましたが、それでも浅間さんの中でもモヤモヤした感情が残ったまま。でも、この話をすれば再び険悪な状態になると思い、ずっと我慢していたそうです。