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転職で「浮いた存在」に?新しい職場で周りに理解される3つのコツ

学び

回答② 人の心が読めるか否かが、大切

 続いて「協調性がない人は、長い目で見ると、上手くいかなくなるケースが少なくない」とも長沢さんは指摘する。

「相手や周囲、社員、お客さんの気持ちがわからないと認められないのではないか。人の心が読めるか否かが、大切。読めない人は、得てして協調性がない。会社員は成果や実績、そして協調性を兼ね備えた人が高い評価をされる傾向がある。

 それでもあたなが『成果や実績を残すだけで十分。協調性なんかいらない』と思うならば、それが認められる会社や職場に移ったほうがよいのではないか。ただし、そのような会社はリストラを大胆に行う場合もあるはずだ。あるいは、起業をするのもいいのかもしれない。私の経験で言えば、経営者になっても協調性がないと、上手くはいかないケースは多い

回答③「新しい職場で学ばさせてもらおう」の姿勢

職場

 長沢さんは20代の頃の経験を踏まえ、こんな助言をする。

私は銀行員の頃、皆が積極的にしない仕事にも前向きに取り組んでいた。上司の評価は、同世代の中では高かった気がする。高い評価を得るためにその仕事をしていたわけではないが、20代の人には特にお勧めしたい。

 20代の中途採用者ならば『新しい職場で学ばさせてもらおう』と謙虚な姿勢で接したほうがよいのではないか。そのほうが、自分が望む成果や実績を残すことができるはず。周りが、その姿勢をきっと見ている。『あの人はすごいね』といった機運が早いうちにできると思う。それこそが、大切」

 新しい職場に入った時に気負いは必要かもしれない。いいところを見せたいと思うのも、決して悪くはない。だが、上司や同僚からある程度は認められないと、活躍できる仕事や機会をつかむのは難しいのも事実だ。

「あの人はすごいね」と思わせたいならば、成果や実績以前に、まずは仕事への姿勢や同僚への関わり方、チームワークの取り組み方に重きを置いたほうがいい。これらができると、周囲の警戒心が弱くなる。その後に、成果や実績をさりげなくアピールしたほうが賢いのではないか。

<TEXT/ジャーナリスト 吉田典史>

【長沢有紀】
1969年、東京都生まれ。三井信託銀行(現 三井住友信託銀行)在職中の1992年、社会保険労務士の資格を取得。1995年、25歳で長沢社会保険労務士事務所を開業。2011年からは、アドバンス社会保険労務士法人代表社員。2012年から、特定社会保険労務士に。埼玉や都内を拠点に多数の会社の人事労務に関する書類の手続きや給与計算、労務相談、就業規則の作成、改訂をする

ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数

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