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あずきバーの井村屋が「冷凍あんぱん」を発売。10か月の開発で“苦労した点”を聞く

ビジネス

開発には10か月の期間がかかった

 今回の開発には10か月ほど期間を要したといいます。とりわけ苦労したところは次のように回答します。

「目標とする甘さと粒感が残る餡にするために、餡の炊き方を何度も調整しました。さらに、香りよい生地にこだわり、粉の選定や配合を何種類も検討したのが苦労した点です

 こだわりは製法だけでなく、ネーミングにも込められているようです。

「井村屋の餡ぱんは『あずき』の加工技術にこだわった『あんこ』が強みです。そのため、『餡』を強調したかったのであえて漢字にしました

今まで餡ぱんを作らなかった理由は

井村屋

カチカチのあずきバー

 ここで、あんまんやあずきバーなど“あずき”に特化してきた井村屋がなぜこれまで餡ぱんを販売してこなかったのかが気になります。

「今回の餡ぱんの生地は『二段発酵製法』による生地を使用しています。この二段発酵製法は生地を2回発酵させることで、『もっちりとした食感と風味のある生地』になります。しかし、二段発酵製法の生地が生産できるようになったのは、2014年のことです。この生地は弊社が得意としている『餡』と相性が良いと思い、ようやく商品化にいたりました」

 そして最後に「冷凍餡ぱんはあずきバーと同じようにカチカチなのか?」を思い切ってぶつけてみたところ、「冷凍食品なので冷凍の状態ではカチカチに固いですが、レンジで解凍することで“もっちり”した生地をお楽しみいただけます」と、向吉氏は丁寧に回答してくれました。

 明治29年の創業時から、あずきの加工技術に力を入れてきた井村屋。二段発酵製法の開発に成功した冷凍餡ぱんは、まさに満を持しての登場でしょう。仕事などで疲れたときは、焼きたてパンのようなパリッとした食感も楽しみながら、エネルギーを補給してみてもいいかもしれませんね。

<取材・文/大川藍 画像提供/井村屋グループ株式会社>

ライター。スイスで滞在中にフリーランスとして目覚める。おつまみ系や占い、インテリア系も執筆中。興味のあるものならなんでも記事にしてしまう遅咲き主婦

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