“こども店長”から10年…28歳女性ラーメン店主「汁なし担々麺を世界に広げたい」
自分の“特性”を理解し、従業員と向き合う
現在は従業員を増やし、ローテーションを組みながら4店舗の運営を行っている。これまでは少人数の“家族経営”をしてきたが、いまは人を増やしながら“組織経営”に移行している段階だという。友紀乃さんは、経営術やマニュアル作りなどを学びながら、ある部分に難しさを感じているそうだ。
「これまでは自分ひとりの動きや考えを優先していましたけど、いまは『人を育てる』ことを意識しています。その中で『人との関わり方』には苦労していますね」
昔から人付き合いや集団行動が苦手だったという友紀乃さん。実は最近、病院で「ADHD」と診断された。
「YouTubeでADHDの動画を見ていて『自分もそうなのかも』と思ったので、病院に行きました。昔から個性的な性格で、忘れっぽいところもあったんですよね。人付き合いだけじゃなく、連絡事項の確認やスケジュール管理、経理などの事務作業も苦手です。でもラーメンをつくるときは店内全体を見渡せて、どんなに混んでいても混乱せずに1人で店を回せます」
「視覚で情報を処理するのは得意」
これはADHDに見られる“視覚優位”の特性で、友紀乃さん自身も「視覚で情報を処理するのは得意」と感じている。いまはこうした自分の得手不得手を理解し、周囲と連携しながら業務をこなしていると話す。
「前は経理とかも自分でやろうとしていたんですけど、数字を間違えてしまうので、いまは人に任せるようにしていますね。周囲にサポートしてくれる人がいて、本当に感謝しています」
また、ADHDという自身の“特性”を公表することは、店が組織経営に移行するためにも重要だと友紀乃さんは考えている。
「私の苦手なことは、従業員の方々にも理解してもらったほうがいいと思っています。そうしないと、これからうまくいかないのかなと感じていて。『自分はこういう人間だけど、それを理解した上でついてきてください』というのは伝えたいですね」