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中国グローバル企業経営者の過激な名言集。W杯で話題のあの企業も

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中国を代表する巨大コングロマリット「万達集団」

 続いて、「万达」は「大連万達集団股份有限公司」という大手不動産会社を指します(「达」は「達」の中国式漢字)。日本でいうなら、三井不動産や三菱地所のようなイメージでしょうか

「万達集団(英語名:ワンダ・グループ)」は現在では中国各地に巨大ショッピングモールや映画館、ホテルなどを建設し、不動産バブルに乗じて収益を拡大。中国の代表的な企業のひとつになりました。

 もともとは中国東北部の都市、遼寧省・大連の住宅供給公社であったのですが、元軍人の王建林が社長に就任して民営化され、1992年に「ワンダ・グループ」として改変されました。

「悪い噂があるのは当たり前。だが、我々は決して賄賂は使っていない」

万達大連グループ

北京にある大連プラザ。万達大連グループ本社も ©Dennis CC BY 2.0

 事実上の創業者でありトップの王建林は、こんな言葉を残しています。

「悪い噂があるのは当たり前。ワンダ・グループの発展のスピードを見れば、疑いを持たれるのも無理はない。だが、我々は決して賄賂は使っていない。不動産業だけだったら賄賂は使わざるを得ないが、我々は普通とは違う道を歩んでいる。新たな創造によって我々はここまでやってきた」

「肝っ玉を太く、ツラの皮を厚く。そうすればワンダ・グループは世界に広がる」

「清華大学も北京大学も、肝っ玉の太いやつには敵わない」

 悪い噂があるのは当たり前、というのはずいぶん割り切った考え方ですが、行政やメディアが十分に機能していない中国では、商敵をデマや悪評で追い落とすというのは、決して珍しいことではないようです。

 とはいえ、政治的に問題の多い中国のこと「決して賄賂は使っていない」との言葉を真に受けて良いのかどうかは、わかりませんが。

「ツラの皮が厚い」というのは日本人的にはネガティブな印象ですが、中国人にとっては、自己主張をハッキリする、イヤなことをイヤと言うのは、成功のポイントとも見られているようです。肝っ玉の太さやハッタリで乗り切る力も、中国ではの大切な能力と見られているのでしょう。

日本でも家電が有名な「海信集団」

ハイセンス

青島市にあるハイセンスR&Dの研究所 ©Hupeixian CC BY 3.0

 最後に、「Hisense」は中国語名「海信集団」という山東省・青島市の家電メーカーで、1969年創業。海信は中国語で「ハイシン」と発音するので、英語の社名と韻を踏んでいるようです。

 安くて高性能な家電は日本でも人気です。家電量販店などで「Hisense」のテレビや冷蔵庫などを目にしたことあるという人も多いはずです。

 もともとは「青島無線電二廠」というラジオ機器の国営メーカーで、今なお「国有企業」として経営しています。そのため、特定の創業者というのはいないようです。

 メンニウ、ワンダ、ハイセンス。W杯に広告を出したこれら3社のうち、民間人が起業したのはメンニウの一社だけというのは、中国の国情を反映していると言えそうです。

<TEXT/西谷格>

【参照記事】
牛根生经典语录」(牛根生)
王健林励志语录正能量」(王建林)

週刊誌などのフリーライター。神奈川県藤沢市出身。上海に6年住んでましたが、最近日本に戻りました。『ルポ中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)発売中。ツイッターは@nishitanitadasu

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