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モンスター親に苦しむ20代教師の嘆き「深夜に身勝手な電話がかかってきて」

コラム

頭髪検査に引っかかったのが気に喰わず…

 東京都の私立高校に5年間勤める加納友樹さん(仮名・31歳)は「ルールを破ってるのに、自分の子どもが正しいと言い張る保護者が多くて困っている」と嘆きます。

 学校には、生徒が「社会のルールに適応」できるよう各校で定められた服装面や髪型などの校則が設定されています。

 加納さんの高校では、生徒の髪型について2か月に一度ほど、奇抜な髪型をしていないか確認する頭髪検査が行われています。ある時、規定違反で指導対象となった生徒の保護者から電話があったようです。

「チェックされる前日にちゃんと美容院に行きましたし、私は奇抜ではないと思います。髪をまた切るのにもお金がかかるのですが、家庭の経済事情も考えない非常識な学校なんですか。『みんなの高校情報(※学校のレビューサイト)』に悪い口コミを書きますよ」と怒りがおさまらない様子の保護者。

 たしかに、「なんで学校が髪型までうるさく縛るのか」とも思います。でも教師からすれば、学校の方針に従わざるをえないのでしょう。

怒る保護者を2時間に渡って説得

クレーマー

「たとえ前日に髪を切りに行っていたとしても、規定で決められているルールに反していれば指導対象としなければいけません。結局、納得しない保護者が学校を訪れ、生徒指導部長と私が2時間に渡って説得しました。ルールに関する説明を幾度も繰り返し、最後は折れて渋々帰宅してもらいました。

 後日、その生徒はちゃんと髪型を整えて学校に登校しました。初めからそうすればよかったのに……。それにしても、ルールを破っているのに激しい口調で『自分の子どもは悪くない』と物申していましたが、『いや、常識がないのはあなたなのでは』と思いました。とても面と向かってはそんなことは言えませんけどね」

  このように教員たちは日々精神をすり減らしながら教壇に立っています。もしも読者のみなさんが将来、親世代になったら、“自分の子ども第一主義”が加速するのも分かりますが、なるべく相手の立場に立って行動してもらいたいものです。

<TEXT/コンちゃん>

日々激務な毎日で憔悴しきりの私立高校に勤める体育教師。趣味は論文執筆とスポーツ鑑賞。教師の日常の一部始終を執筆します

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