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若手3人で作った映画会社A24が、10年たらずでアカデミー賞連発。どこが凄いのか

アメリカに移住した韓国人のリアルを

ミナリ

Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24

 その印象を観客に与えることができたのは、やはりこの映画がアイザック監督自身の「物語を伝えたい」という思いから出発し、その脚本にプロデューサーが惚れ込み、優秀なスタッフが集ったからであろう。

 今回、助演女優賞を受賞したおばあちゃん役のスンジャを演じたユン・ヨジョンも1970年代にアメリカに渡った移民だった。1974年から1981年までアメリカで暮らしたというヨジョンはアメリカに移住した韓国の人たちの苦労が描かれたアイザック監督の脚本を読んで、すぐに「作り話ではない」とわかったという。

 ヨジョンは『ミナリ』について、国や習慣に関係のない、人間性と愛の大切さを描いた作品だと語っている。そして、その思いはスンジャが孫であるデビットを見る時のまなざしだけで観客に伝わっていると言っても過言ではない

 作り手の思いがキャストに伝播し、作品に結実した『ミナリ』。やはりそれは、クリエイター発の企画を大切にするA24の製作姿勢の賜物と言っても過言ではないだろう。

A24の待機作にも期待が集まる

 ちなみに、この後の待機作は『Zola』。2015年に話題となったゾラ(Zola)という女性のツイッターの148投稿に及ぶスレッドを元に作られたストーリーだ。

 黒人女性のゾラが働いていたレストランに客としてやってきた白人女性と「ストリップダンスができる」という点で意気投合し、翌日、ストリッパーで稼ぐために2人でロードトリップへと出発。誘拐などさまざまな事件に巻き込まれてしまうという展開とのこと。

 予告編を見ただけで「今までに見たことのない何かがある」とワクワクしてしまう本作。アメリカでは今年の6月末から公開とのことだが、今後もA24から目が離せない。

<TEXT/合同会社インディペンデントフィルム代表社員 熊野雅恵>

ライター、合同会社インディペンデントフィルム代表社員。阪南大学経済学部非常勤講師、行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、映画、電子書籍製作にも従事

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