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毎日スマホばかりはNG。東大教授が語る「思考習慣がない人」14の特徴

学び

複雑なことを一切考えない頭になっているかも?

 考えることが面倒くさい人は、問題が起きても適当に判断して、早く落としどころを見つけようとします。

 こういうタイプは、「タブロイド思考」と言い、複雑なことを一切考えない頭になっている可能性があります。タブロイド紙というのは、普通の新聞よりも少し小さめの、駅の売店などで売っている新聞のことです。大きな文字のセンセーショナルな見出しが特徴で、世間で話題になっていることを1〜2段くらいで分かりやすくまとめています。

 このように、情報発信者が背景などを省略して短くまとめた文を正しい情報としてそのままインプットしてしまうのが、「タブロイド思考」です。「多段思考」や「微分思考」とまるで正反対の「単段思考」と言ってもいいでしょう。

 たとえば、リーマン・ショックの引き金となった「サブプライムローン」が話題になったとき、一般の新聞では、経済学者のインタビュー記事や論説を載せたりして何段もスペースを使い、サブプライムローンが起きた原因を分析しました。

 一方、タブロイド紙の場合は、「Aという金融機関の会社役員が何十億もの報酬をもらっていた」といった見出しになるような言葉だけで短くまとめてしまいます。難しく複雑な背景はざっくり省略したり、簡略化して、1つか、2つの事実を伝えるだけで終わってしまうのです。

 すると、読み手は予備知識もないままに「そうなんだ」と一部の表面的な記事を納得して受け入れ、分かった気になってしまいます。しかし、世界に衝撃を与えた歴史に残る金融危機問題が、そんなに単純であるはずがありません。

「単段思考」が当たり前になってしまうと…

スマホ 男性

 スマホでニュースのヘッドラインを読んでいるのも、テレビのテロップを見るのも単段思考。内容も確かめず、見出しや結論だけ見て事実だと受け取るのは、判断を人任せにしているのと同じことです

 恐ろしいことに、「単段思考」に慣れた人は、その単純な考え方が当たり前になっていきます。複雑なことを考え続けずに物事を単純化してしまうと、大事なポイントが分からないどころか、誤解が生じる場合もあります。物事が重大なときほど、慎重に「多段思考」で考えて判断する必要があるのです。

 単段思考をやめる方法の1つとして、プログラミングがおすすめです。プログラミングは、コードを1つでも間違えたらバグが出てしまいます。バグは、コンピュータプログラムの欠陥です。バグが発生するとプログラミングが止まり、先へ進めなくなります。そのため、どこが間違っているのか必ず確認して、バグを取り除くバグ取りをしなければいけません。

 つまり、プログラミングをすると、バグが発生するたびに問題点へ立ち返り、「なぜ間違えているのか」「どこを間違えているのか」を考えることができます。バグ取りを繰り返すと、大事なポイントを見極めるいい練習になるのです。自分が正しいと思うことをやっているつもりでも、人間は必ずと言っていいほど、どこか間違っているものです

東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣

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