子どもの飛び跳ね、落下音…「隣人トラブルの対処法」を専門家に聞く
我慢できなければ記録する
できれば口頭ではなく、文書で簡潔にまとめたものを提出するとわかりやすいでしょう。音がうるさくて我慢できないと思ったら、音に関する記録をつけて、エビデンスを残すことです。
これは先方や第三者に具体的に説明するときに必要ですし、最悪、こじれて訴訟になったときに、重要な証拠になります。次の8項目を記録に残すのが理想です。
1. 音の大きさ(できれば何デシベルなど数値で記録したものを残すのが理想)
2. 音がする時間帯(朝、昼、夜、深夜など。できれば時間帯を特定する)
3. 音の頻度(継続していくのか、単発なのか、間をおいて繰り返すのかなど)
4. 音の種類(高い音か低い音か。ドンとかコンとかバタンといった音の聞こえ方)
5. 音の発生場所(キッチンとかリビングといったように、場所が特定できれば)
6. 経過(いつからその音が始まり、どのような経過をたどったのか)
7. 音による影響(夜眠れない、精神不安定になった、勉強できないなど)
8. 対策の有無(相手に話しに行ったとき、どんな対応をされたか。相手はどんな対策をとったかなど)
記録を撮っていることは内密に
なお、こうした記録をつけていることを必要以上に相手方には知らせないほうが良いでしょう。あくまでも自分用の記録としてとっておき、聞かれたときだけ、答えるスタンスが賢明です。
そうしないと「お宅はうちの物音をいちいち記録していたのか。それは盗聴だぞ。プライバシーの侵害じゃないか」と怒りを買ってしまい、別の問題に発展しかねません。
音の記録のとり方ですが、音の大きさの測定は騒音計を使うと便利です。市町村役場の公害を扱う部署で、騒音計を貸し出しているところがあります。これを使って、実際に騒音レベルで何デシベルの音が響いているのか記録すれば、客観的に音の大きさが記録できます。
また費用はかかりますが、音響性能の調査機関に依頼して音の測定をしてもらう方法もあります。音を出している相手が変人で、とてもまともに話し合える状況ではないというときは、将来の訴訟も踏まえて、きちんと音の測定をし、記録を残しておくと良いでしょう。