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子どもを授かったゲイカップル「育児や家事に、性別は関係ない」

暮らし

育児の悩みは異性婚の夫婦と変わらない

――育児と仕事のバランスについてはどのように考えていますか。

みっつん:そもそも育児の苦労って、仕事やほかの家事と両立させるところにあると思うんですよ。スウェーデンでは育児休暇などの制度は整っていますけど、制度を利用しても家事と育児を両立していくのは大変だと感じています。

 それこそ性別関係なく世界中の親御さんたちが感じていることなのではないでしょうか。実際、育児だけだったら楽しめることのほうが多いと思うんですよね。でも仕事や家事との両立となると、いろいろと難しい問題が出てきます。

――育児の悩みは異性婚の夫婦と変わらないのですね。

みっつん:僕自身、日本で生まれ育ったシスジェンダー(生まれながらの性別と性自認が一致し、それに従って生きる人)の男性です。昔は女性のほうが育児に向いていると思っていました。でも実際に自分たちでやってみると、性別の差はあまりないのかな。男でも子育てはできるという認識です。

日本と違って、男性が育休を取るのは普通

――夫のリカさんは息子さんが産まれたタイミングで育児休暇を取ったそうですね。

みっつん:日本の女性の場合だと、子どもを産み育てようとして、いざ産休なり育休を取るとなると、職場復帰が難しいという問題がいまだにあると思います。昔は働く女性自体少なかったかもしれないけれど、共働きのでも近所の人たちや親戚に協力してもらうことができたから、まだよかった。

 リカが務めていたイギリスの企業だと、ストレート(異性愛者)、ゲイ関係なく育児休暇を会社の福利厚生として認めています。彼もサロガシーのプロセスを始めるころから、上司に子どもを持ちたいという意向があること、そのために育児休暇をとりたいということを相談しつつ、少しづつ育児休暇の準備をして、最終的に1年半取得しました。現在住んでいるスウェーデンでは、国の制度による育児休暇を2人で利用しています。

――リカさんの企業は、ふたりぱぱの子育てを支援する姿勢をとってくれているんですね。

みっつん:そうですね。これからは子育てに協力する役割を国や企業が担っていくべきだと思うんです。働いている間に給料は払うし、育児休暇を認めて、職場復帰もしやすい環境を用意するという形で。両親が子どもを育てていくのは当たり前だけど、そうやって子どもを育てる役割は社会にもあると考えています。

 日本の男性も、先入観を取っ払って企業に働きかけてみることが大事だと思う。「育児休暇をとりたい」と言っていかないと実現しないと思うんですよ。それに企業も、育児休暇が取りやすい環境にあることは、顧客からみてイメージアップにつながる気がするんですけどね。

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