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ワイン初心者でも大丈夫「選び方の基本とトレンド」をエノテカに聞く

暮らし

シーンで今熱いのはピエモンテワイン

 最後に今後のワインシーンのトレンドについて聞いた。世界各地にワインの産地がある中、どの地域のワインが注目されているのだろうか。改野氏はイタリア北西部に位置し、美食の宝庫と呼ばれるピエモンテ州原産の「ピエモンテワイン」を挙げる

ワイン

ピエモンテ州原産の「ピエモンテワイン」

「ピエモンテは白トリュフをはじめとした食材はもちろん、イタリア屈指の美食の地として名高い場所なんです。それに伴い、ワインのクオリティも非常に洗練されていて、特に有名な銘醸地なのがバローロ村とバルバレスコ村。

 ここでは『ネッビオーロ』というブドウ品種が使われているのですが、ブドウの不作による生産量減や世界的な需要の高まりで近年価格が高騰しているブルゴーニュワインに比べ、安定した生産量を維持し、味のクオリティが高い割に値段も比較的お手頃なコストパフォーマンスの高い産地なんです。また、ユニークな土着品種のワインが楽しめるのも人気の理由ですね」

ロゼワインが日本でもブームになる?

 また、アメリカをはじめヨーロッパで人気沸騰のロゼについて、今後日本でも盛り上がりを見せるのではないかと予想しているという。

「ロゼは、他のワインのようにペアリングをあれこれ考えなくても気軽に飲めるところが人気のひとつ。氷を入れたり、他のドリンクと混ぜたりと自由気ままに楽しめるのが欧米のミレニアル世代中心にうけています。また特筆すべきは“インスタ映え”する色合い。美しいピンクが基本色ですが、製法によって『鮮やか』『淡い』など濃淡の違いが楽しめるため、ピクニックやバーベキューなどシーンごとに色合いの違うロゼを選び、フォトジェニックな演出の後押しをしてくれるワインとして、欧米では今とても人気が高まっています。

 ただ、残念なことに数年前から日本にもロゼブームが来ると言われて久しいですが、まだ来ていない(笑)。現にロゼは日本のワイン消費市場のうち2~3%ほどしかシェアがないんです。ただ、欧米のような余暇を充実させるライフスタイルが浸透し、美しい色合いのフォトジェニックさが支持されれば、一気にブームになるポテンシャルを持っているのがロゼワインですね」

 ワインの代表的なブドウ品種を覚えるとともに、インスタ映えするロゼワインにも注目するなど、ほんの少し知識を増やしたり、視点を変えたワイン選びをしたりすれば、また違ったワインとの付き合い方ができるかもしれない。ワイン初心者はもちろん、これからどんなワインを買おうか考える際の参考にしてほしい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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