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コンサルティング業界の口コミ評価ランキング。就活人気企業の働きやすさは?

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コンサルティング業界の特徴について

ブラック企業

 上記のクチコミを踏まえると、「コンサルティング・シンクタンク業界」の上位企業は大きく3タイプに分けられます。

 いずれのタイプの会社も残業時間は70~80時間/月となっており、業務量は正直多いです。また、有休消化率も「最高で」8割程度にとどまり、自己都合での休みも取りにくい業界柄であると推察されます。

・タイプ1:有名外資系コンサルティング会社(ベイン、マッキンゼー、ボストン・コンサルティング、A.T.カーニー)
・タイプ2:中小コンサルティング会社(ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ、リブ・コンサルティング、インクグロウ、イグニション・ポイント)
・タイプ3:上場済の国内コンサルティング会社(ドリームインキュベータ)

 タイプ1の企業は冒頭で紹介した就活ランキングでも人気であり、入社難易度が高い傾向にあります。ただ今回、意外だったのが、どの上位企業も「IT分野」を強みに挙げておらず、むしろ課題として挙げている企業もあった点です。確かに、「IT技術で何ができるのか」を把握し、依頼者・技術者とのやり取りを通して形にするというのはそれ単体で職業が成立するので、ある意味「新しく職を得る」のに近いハードルではあります。タイプ1の企業に入社できるような高い知的能力と体力を備えた方々からしても楽ではないのでしょう。

 タイプ2の企業が実態としての「コンサルティング」に近いと思いますが、収入と労働量の折り合いはつきにくいと感じました。タイプ1の企業くらいの高収入とブランドが得られるのであれば激務も受け入れやすいですが、「ひたすら激務だが、収入は他業界とあまり変わらない」という状況の場合、「知的で華やか」というイメージから離れた部分のコンサルティング業務(クライアント企業との折衝・トラブルシューティングなど)も好きになれないと続けるのは難しいでしょう。

 また、タイプ3の企業は上場していることもあり、国内のメディア報道や、日本の法律の制約を強く受けるので激務に一定の歯止めをかけやすいですが、企業の絶対数が少なく、タイプ1と比べても目立ちにくいため、狙う場合はメディアの情報に流されず、意識的な企業研究が必要です。ドリームインキュベータのほかには、三菱総合研究所・野村総合研究所・船井総研あたりが代表例です。

 いずれのタイプの企業を目指すにせよ、クチコミを参考にしつつ、気になる会社の社員が知り合いにいたら是非直接感想を聞いてみるとよいでしょう。クチコミも非常に参考になりますが、一番いいのは「生の意見」だからです。本稿がご自身の希望業界分析の際に参考になれば幸いです。

<TEXT/アラートさん(@blackc_alert) 協力/OpenWork[オープンワーク]>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
Twitter:@blackc_alert
note:ブラック企業アラート

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