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Adobe Flashが2020年で終了。使い続けるとトラブルは起こるのか

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「おもしろFlash」の思い出

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 筆者がFlashを知ったきっかけは、2000年頃に流行した「Hatten ar din」という空耳動画である。内容は意味不明だったが、外国語の歌に載せてコミカルなアニメーションが流れるというだけでじゅうぶん楽しかった記憶がある。

 ドラえもんのパロディアニメを掲載していた「オラサイト」の流行も懐かしい。「2ちゃんねる」が浸透した後は、「モナー」や「しぃ」といったアスキーアート(顔文字キャラ)が動き回るFlash動画が多数生まれた。ゴルゴ13似の男が独り言をつぶやく「ゴノレゴ」の動画も面白かった。

 現在の20代からも、「インターネットで最初にハマったコンテンツはFlashだった」という声がちらほら聞かれる。YouTubeや「ニコニコ動画」のサービス開始後はすっかり下火になったが、これらの「おもしろFlash」についても、平成時代を彩った子ども文化として記憶されるべきだろう。

Flashがなくなっても…

 しかし、infoseek iswebやジオシティーズ(Yahoo!ジオシティーズ)といったレンタルサーバーがサービスを終了した際に、「おもしろFlash」の配信サイトは多くが姿を消し、今でも閲覧できるものはわずかである。

 そのわずかなコンテンツも、Flash Playerのサポート終了をきっかけに管理人が削除してしまう可能性が懸念されている。しかし前述した「Ruffle」のようなプロジェクトもあるわけで、一律に「閲覧不能」となるのはもったいなく感じる。

 結論を言えば、Flashがなくなることで現在のインターネット空間が変わることはほとんどない。有力なWebサービスはすべてFlashからの移行を済ませており、99%のユーザーには影響をもたらさないはずだ。Flashはその役割を終えた。より自由な規格であるHTML 5によって、インターネット文化はこれからも洗練を深めていくのだろう。

<TEXT/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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