「超異端」な日本の正社員制度。世界基準での普通の働き方とは
最近、新聞やニュースなどでよく見たり聞いたりする「ジョブ型」という単語。これについて皆さんはどれくらいご存知でしょうか?
コロナで在宅ワークが増え、「ジョブ型じゃないと在宅対応できない」「ジョブ型にすると成果で賃金を払うので時間管理が不要」といったような趣旨の記事が飛び交っていますが、個人的には正直ビックリするほど勘違いしている人が多い気がします。
今回はジョブ型とは何か。また、これからどうなっていくのか? ということをできるだけ簡単にお伝えしたいと思います。
日本の正社員制度は「超異端」
まずそもそも「ジョブ型」って何のことかわかりますか? 最近できた言葉だと思っていませんか? 実はかなり前から使われている言葉なんですが、ここ最近やたらと使われることが増えたという印象です。
ジョブ型を理解する上で絶対に知っておかなければいけないのは「メンバーシップ型」という言葉なんですが、こちらもゼロベースから理解できるように噛み砕いていきますね。
皆さんが「普通」だと思っている日本の正社員制度は、世界基準では超異端なんです。
「メンバーシップ型」雇用とは
大学で普通に就職活動をして、内定を得て、新社会人となって働きだす。そして新卒社員研修をやって、適度なジョブローテーションをやったあとに本配属。毎年業績や頑張りに応じて定期昇給があり、定期的に人事異動で違う部門に飛ぶことも。
そして、基本、定年まで終身雇用として働くことを前提とする。労働組合がある会社は少ないですが、企業内労働組合が基本……。
今、ここで説明した内容は「うん、そうだね」となる話ばかりかと思いますが、こんな雇用形態でやっている国はほとんどなく、ほぼ日本だけと言っても過言ではありません。
これを日本型雇用と言ったりするのですが、これこそが「メンバーシップ型」なのです。メンバーとは正社員のことを指し、仲間であり、家族的な存在であり……。支え合いながら成長していくのです。