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コロナ倒産が600件に迫る勢い。過去最大の倒産ラッシュとなる業種も

ビジネス

 ニューノーマルという言葉が定着するなど、「コロナと共に生きる日常」はすでに受け入れられつつある。しかし、その日常は多くの不安定さと隣合わせであることは言うまでもない。株式会社東京商工リサーチによると9月の新型コロナウイルス関連の倒産は100件。2月の調査開始以降、6月以来の100件超えとなった。7~8月と倒産の数は落ち着いていたが、ここにきて一気にその数が増えてしまった。

マスク女性

画像はイメージです

突出して多い飲食業の倒産

 日本経済にも徐々にダメージを与えており、そのダメージに耐えられずに、倒産を余儀なくされる企業も増えて、本稿執筆時点(10月13日)での累計は579件。楽観できない状況が続くなかで、倒産企業の傾向と、今後の予測をデータから読み解きたい。

 東京商工リサーチの新型コロナ関連の経営破たんは、負債を1000万円以上抱えている企業が対象だ。業種別で最も多いのは飲食業。9月の調査では、2月調査以来の累計で83件となっている。前月8月が累計65件だったため、8-9月の1か月間で18件も増加したことになる。

 コロナの影響で倒産数が多い他業界ではどうだろうか。アパレル関連は累計51件(8月)から59件(9月)、宿泊業は44件(8月)から48件(9月)。直近における飲食業の倒産数がいかに突出しているのかがわかる。

過去最大の倒産数を大幅に上回る

居酒屋

 そして、飲食業の中でもコロナの影響が大きい分野があり、こちらも併せて紹介したい。株式会社帝国データバンクが東京商工リサーチの調査とは別の角度からコロナの影響をまとめている。

 帝国データバンクの調査によると、1月から8月までの間の居酒屋の倒産数は130件。同社が用いている倒産の定義は東京商工リサーチよりも範囲が広いものとなっているが、それでも居酒屋という限定で3桁の倒産が発生している。

 また、同社集計によるこれまでの年間最大倒産数は2019年の161件。2020年は8月段階で前年同期比で約3割多い状態となっている。現状のペースでは過去最大の倒産数を大幅に上回るペースだ。

 大人数で集まっての酒宴は「三密」になるため、コロナの影響を大きく受ける。本来であれば忘年会で賑わうはずの年末のころには、このままでは街中が空きテナントだらけという事態も起こりうる。

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