bizSPA!

かつや、マクドナルド…コロナでも収益アップした飲食店の秘密

ビジネス

「使える二枚目半」がお客さまにウケる

のぼり お弁当

 3つ目は「フライヤー(チラシ)」です。お持ち帰りできる全メニューのイラストと価格、店のインフォメーションを見やすくコンパクトに表示したB5サイズぐらいのフライヤーを店頭の目につきやすいところに置きます。そこに「ご自由にお持ちください」という案内文字も目立つように表示します。

「お持ち帰り」の文字や価格を大きく表示したポスターを掲示したり、のぼりを立てたりしたら、せっかくの店の外観がカッコ悪くなるから避けたいと思う方もいるでしょう。もちろん、ベタなポスターやのぼりを置かないほうが店は洗練されて見えます。しかし、ここでカッコよさにこだわって何もしなければ、集客は望めません。

 目的はあくまでもテイクアウトサービスの「周知」「集客」「販売数アップ」なので、あえてダサめのデザインや見せ方を選択するのも戦略なのです。つまり使えない「カッコよさ」より、「使える二枚目半」のほうが、結果的にお客さまにウケるのです。

 実は、この3つのアイテムはすべて、私の経営する店で実際に店頭に設置したものです。コロナ禍を見越して早い段階からこの3つのアイテムを準備していたおかげで、テイクアウトをしている店であることを近隣の方に訴求でき、売り上げアップに直結しました。

<TEXT/大西良典>

■ 大西氏がデザインを担当した有名外食チェーン店
なか卯/すき家/?野家/かつや/すた丼/ココス/ビッグボーイ/デンバープレミアム/牛カツ京都勝牛/千房/モスバーガー/フレッシュネスバーガー/サーティワンアイスクリーム/英國屋/まこと屋/味千ラーメン/ローソン/すかいらーくグループ/サトフードサービスグループ/ゼンショクグループほか多数

OLL DESIGN株式会社代表取締役。1978年、兵庫県神戸市生まれ。高校卒業後に神戸の三大ゼネコンに入社し、21歳で建築士になる。24歳で「なか卯」の店舗システム部にヘッドハンティングされ、27歳で「すき家」をはじめとする各種外食チェーンを運営する「ゼンショー」のグループ会社に出向。2010年に独立。東京と中国・上海に支社を設立、国内外で店舗デザインを展開

コロナ危機を生き残る飲食店の秘密

コロナ危機を生き残る飲食店の秘密

チェーン店デザイン数日本一の著者が、店舗設計の膨大な実証データに基づき、集客率・回転率・競争力・収益性を上げて繁盛店に導くデザインの秘密がこの一冊に

おすすめ記事