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ストーカー、万引きなど「悪い習慣」を2週間で断ち切る手法

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2週間で「欲求」を制御できるように

 初めのうち、「制御刺激」をすると大脳は刺激を受け、「ハマリ」の行動に向かって「第一信号系」の反射連鎖が作動します。

 しかし、「制御刺激」は意識的に行っているので、その「ハマリ」の行動は、成功させません。失敗させるのです。ある行動を司る反射連鎖が定着していましたが、それを作動させ、しかし失敗させることを反復するのです。

 そうすると、失敗する行動は進化を支えないので、徐々に弱まって行きます。つまり、後には、「制御刺激」をすると「ハマリ」行動が止まる合図となります。つまり「ハマらない」条件付けができます。以後は、「ハマリ」行動への「欲求」が生じても、条件付けされた「制御刺激」をすることで「欲求」が数秒で消え去るようになるのです。

 信じられないかもしれませんが、1日に20回以上、この「作業」をすれば、ほとんどの人は2週間ほどで「制御刺激」とその後の反応が脳に条件付けられます。

「空振り」が続くと欲求そのものが低減

スーツ

「空振り」は、「ハマり」行動をあえて計画的に行い、しかし、最後は「生理的報酬」を獲得しないことを反復する作業です。すると、「ハマり」行動を司る「反射連鎖」の作動性、つまり「欲求」そのものが低減していくというものです。「条件反射制御法」では「疑似」と「想像」でこの作業をします。

 例えば、覚醒剤を静脈注射で摂取していたなら、疑似物質で真似することを理解した上で、塩などの白い細粒を覚醒剤に見立てて、注射器でその水溶液を作り、やわらかい偽の注射針を皮膚にあて、静脈注射の真似をします。そのような「疑似」あるいは「想像」を1日に20回を目指して行います。

 初めは「疑似」や「想像」の作業に反応して、自律神経、気分、動作の全てで激しく反応が生じることが多く、動悸や高揚感、欲求が生じます。ときには「ハマり」の時の光景が見えます(入院しないで「疑似」や「想像」をすると、生じた衝動、欲求に突き動かされて「ハマり」行動に向かって反射の作動が強く起きる可能性があり、危険です)。

 しかし、「疑似」であり、「想像」であるので「生理的報酬」はありません。したがって神経活動は進化を支えない不適応行動に終わるわけです。それを反復するので「ハマり」行動を司る「反射連鎖」が抑制され、徐々に低減し、最後には「刺激」を受けても「反応」しなくなり、「ハマり」行動への欲求は消えます。

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