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ストーカー、万引きなど「悪い習慣」を2週間で断ち切る手法

暮らし

 NPO法人「ヒューマニティ」理事長である私は、セラピーを用いてストーカーを初めとするさまざまな「ハマリ」に対応して来ました。ところが、セラピーをもってしても対処できないほど強力に条件付けられた「ハマり」には、過去には、対処する手立ては世界のどこにも見当たらない状況でした。

診断

※イメージです(以下同じ)

 前編の記事では、人間の脳が何かにハマってしまう2つのコントロールシステムについて述べましたが、後編では「ハマり」を止めるための「くい打ち」と「空振り」の手法について述べたいと思います。

※本稿は『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』(小早川明子・著、フォレスト出版)を再構成したものです。

恋愛型ストーカーも一種の「ハマり」

「摂食本能」の「過剰な作動」には、摂食障害、病的賭博、病的窃盗があります。太古の人類が食物を獲た狩猟は、例えば、10回に1回くらいしか獲物を獲れず、また、激しい運動をすることから心拍数があがるものでした。

 10回に一回くらいしか当たらない賭博や、ドキドキしながら見つからないように商品を入手する万引きは、太古の狩猟と同じです。太古の狩猟や、賭博や、万引きは、成功すると、先天的な「反射」に後天的な「反射」が結合して、それらの行動は生じやすくなります。

「生殖本能」の「過剰な作動」には、露出、痴漢行為、強姦があります。恋愛型のストーカーも「生殖本能」の「過剰な作動」と言えます。条件反射制御法の「作業」は大きくは2つ分かれます。「くい打ち」と「空振り」です。ここでは主に「くい打ち」を紹介します。

「くい打ち」とは、条件づけられた「反射連鎖」にストップをかける「くい」を作り、それを打ちこむ「作業」のことです。

悪癖を止める「くい打ち」の作業

小早川明子

小早川明子『やめたいのにやめられない悪い習慣をやめる技術』(フォレスト出版)

 具体的には、ある動き(「刺激」)を作り、その動きをした後は「ハマっ」てしまった行動をしないという事実を作り、これを計画的に反復する、するとストップ信号である「くい」が出来上がります。この時、動作には言葉もつけることにします。

 手順としては、①まず、「ハマリ」行動を意識する。②次に、「ハマリ」行動を司る神経活動の一部が開始する。③と同時に、動きと言葉の刺激を大脳が受ける。④この後、「ハマリ」行動をとらない時間を作る、という順番です。

 例えば、人を見ればつい悪口を言ってしまうという「癖」を治したければ、「私は、今、人の悪口を、言わない、大丈夫」と言いながら、胸に手を当て、離して拳を作り、その後、親指を拳に握り込むなどの、簡単で特殊な動きをします。

 これをすることで「ハマり」行動を意識、その神経活動の一部が作動し、大脳が刺激を受けます。この言葉つきの動作を「制御刺激」と呼びます。

悪い習慣をやめる技術

悪い習慣をやめる技術

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