三浦春馬さん自殺報道にも問題が…日本の若者が追い込まれる背景
SNSを利用した相談窓口が求められる
――そうした中で友人や家族ができることは何かあるのでしょうか?
原田:本人が相当追い詰められた状態にあるときは、残念ながら本当に限られます。素人が下手に変なところに手を突っ込んでしまうと、それが本人には触れられたくないところで、拒絶されたり余計にふさぎ込んだりする可能性もある。
また、ご本人も身近な人、特に友人や親御さんだからこそ打ち明けにくいこともあるでしょう。やはり、望ましいのは専門の相談機関か何かに、匿名でもいいから、相談をすることではないでしょうか。
――ご本人が助けを求める場合、どのように、またどこに頼るべきなのでしょうか。
原田:1つは厚生労働省の窓口や「いのちの電話」のような、相談窓口に連絡することでしょう。それか、カウンセリングや精神科に行くのがよいと思います。
ただ、そもそもSNS世代の若い方は電話がすごい苦手、電話をしない人も増えている。電話で知らない相手に、いきなり重いことを話すことにはが抵抗感が大きいでしょう。いきなり精神科に行くのもハードルが高い。
欧米各国と異なり、日本ではカウンセリングや専門的なケア、サービスというもののインフラが行き届いていない現状もあります。こういった部分も若年層が支援を受ける障害になっています。
ですから、たとえば相談にSNSを活用する、twitterなどに相談窓口のアカウントを作って情報発信をするなど、気軽にやりとりができるようにするなど若年層にあった相談窓口をもっと整備し、その情報を伝える必要があると考えています(※厚生労働省SNS相談窓口)。
ただ、ここまでお話をしてきたのは、専門的には危機対応と呼ばれるものです。つまり、本当に危ない人への対応です。本来は常日頃からストレスチェックをチェックしてマネジメントを考える必要があります。
ストレスコーピングを身に着けるべき
――具体的にはどういったことをすればよいのでしょうか?
原田:「ああ、ストレスがたまっているな」と思ったら、これをしようという、専門的にはストレスコーピングという対処法を何かもっているとよいかと思います。
別に無理に相談する必要はないのです。ストレスがたまったらカラオケに行く、運動をするでもいい。ストレスレベルが上がっていると思ったら、貯めないで小出しにするのが大切です。
心の健康習慣といいましょうか、これを1つでも、2つでも身に付けていく、いざとなって相談するのではなく常日頃から気を配っていく必要があると思います。