イオン、コロナでも増収増益を実現した底力。社員とバイトの声は
セグメント別の売上ではGMSとSMが主力
続いて、イオンの業績推移と、各セグメントの実績の分析に移ります。
営業収益(売上)・営業利益ともに、全体額は直近5年間で維持・伸長できており、中長期でも大きな問題は見られませんでした。イオンの場合は扱う業務の幅が非常に広い(小売以外に、金融サービスも扱っている)ので、セグメント別に分析を進めます。
セグメント別の売上を確認すると、GMS(総合スーパー)とSM(スーパーマーケット)の売上額がほぼ同等で、主力となっていることがわかりました。GMSとは「イオン」のことで、SMは「ダイエー」「マックスバリュ」「ミニストップ」になるため、総合スーパー(イオン)が圧倒的優位というわけではなく、事業の多角化は一定程度進行していると考えられます。
「各セグメントの利益額順」で比較すると…
しかし、営業利益の中で「各セグメントの利益額順」で比較してみると風向きが少し変わります。わかりやすいように決算短信内のセグメント順ではなく、「2020年2月期の営業額絶対額が大きい順」になるように並べ替えてグラフを作成しました。
その結果、「総合金融>ディベロッパー>ドラッグ・ファーマシー>SM>国際>GMS」となっており、「スーパーマーケットの会社」というイメージから離れてくることにお気づきでしょうか。
具体的には、利益面では総合金融(イオンフィナンシャルサービス)、ディベロッパー(イオンモール)、ドラッグ・ファーマシー(ウエルシアHD)の存在感が大きくなっているのです。ウエルシアHDについては前回の記事で説明したので、そちらをご参照ください。