コロナでクビを切られた28歳会社員「3か月後が全く見えません」
転職活動は思うように進まず
河野さんの会社では5年以上勤続しないと退職金が出ず、会社からの保証は3か月分の給料保証のみなのだそうです。
「会社の通勤のために都心に住んでいて出費も多く、蓄えが多いほうではありません。給料を出してもらえているうちになんとかしないと、このまま東京に居続けることは難しいと思っています。転職サイトにも登録しましたが、4月以降は採用の窓口を閉じているという企業も、半減とはいかないものの多い。
これまでベンチャー系の企業で働いてきた身としては、なかなか自分に合う企業を見つけることができず困っています」
大企業だと履歴書が通ってもその後の面接まではたどり着けず、得意なベンチャー企業は採用がないところも多いので、思ったように転職活動も進んでいないようです。
先の見えない生活に怯える日々…
「失業保険も申請しましたが、受給までまだ時間がかかるので、今は外出を自粛しながら企業からのメールを待ったり、仕方なくゲームしたりして過ごす日々です。
このまま仕事が見つからなければ地元の九州に戻ることも考えなくてはなりませんが、実家にコロナを持ち込む可能性も否めませんし、東京にいる恋人との将来も薄くなると考えると、なんとか次の仕事を見つけたいけど……。試用期間で切られてしまう可能性もありますし、正直3か月後先の未来が全く見えません」
IT業界でスキルを持って働き、まだまだ働き盛りのアラサー世代でも、転職に苦戦しているということも事実です。しかし、国からの保証は徐々に充実しつつあります。
失業手当やコロナウイルス感染症特別貸付制度、住居確保給付金など、受けられる支援はしっかり受け、悲観せず中長期的な目で転職活動に腰を据えることも大事ではないでしょうか。
― 特集 新型コロナ・若者の憂鬱 ―
<TEXT/ミクニシオリ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>