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「初任給は13万円…」入社初日から自宅待機、22歳・旅行会社社員の叫び

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会社が経営破綻しそうで不安

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「母は僕のことを心配して『仕送りしようか?』と言ってくれましたが、社会人になって親に迷惑をかけたくなかったので断りました。ただ、本当はノドから手が出るほど欲しかったですけどね」

 それでも6月から予定通りの額が振り込まれると聞いて、ホッと胸を撫で下ろしましたが、それでも「安心はできない」といいます。

「数十名の従業員しかいない小さな会社ですし、ましてや前年同月比の売り上げがマイナス90%以上を記録する危機的な状況です。大手の旅行会社ならしばらく持ちこたえられるかもしれませんが、ウチの会社にそれが真似できるとも思えません。悪口は言いたくないですけど、休業を理由に初任給を減らすような会社ですからね」

 しかし、今の時点では自分から会社を辞めるようなことは考えていないそうです。

「解雇や倒産なら仕方ないですけど、自己都合退社だと転職するにしても不利じゃないですか。だから、とりあえず3年は頑張って働くつもりです。その間はなんとか会社に踏ん張ってもらい、経営状態が上向けばいいんですけどね。それなら辞めないで済みますから」

倹約生活継続で身を守るしかない

 なお、貧乏メシによる食費節約もしばらくは続ける予定とのこと。初任給減額を通じて貯金の必要性を身に染みて感じたようです。

「春まで大学生だったので仕方ないですけど、お金がないってこんなに怖いことなんだなって。本当は車が欲しかったですけど、買うのをやめました。田舎暮らしじゃないので車がなくても生活はできるし、月々ローンや維持費に消えるくらいなら貯金に回したいです。大学時代から付き合っていた彼女とは、車を買ったらドライブに行く約束をしていたので残念そうにはしてましたけどね」

 コロナ休業による収入ダウンを経験した方は多いと思いますが、初任給からダウンはさすがに辛すぎます。でも、それによって貯金や倹約の意識が高まったことは、不幸中の幸いなのかもしれません。

特集 新型コロナ・若者の憂鬱

<TEXT/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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