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ファミリーマートが「独り負け」状態。加盟店や従業員の声は

ビジネス

口コミサイトからみえる現場の声

ファミリーマート

ファミリーマートの口コミトップ(openworkより引用)

 さて、働く側としてはどうでしょうか。実際に働いた時の所感を把握するために、口コミサイトを確認していきましょう。各種口コミサイトは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、現場の声を確認していきます。

良い点:
・給与水準が高い(平均年収619万円、「有価証券報告書」より。業界平均は371万円)
・社内ポイントを貯めることで希望部署への異動を申請しやすくなる(キャリアポイント制度)
・店舗数規模が大きいので「世の中への影響力」を感じやすい

気になる点:
・希望退職制度実施による士気低下が見受けられる
・休日にも連絡が来ることがある
・業界的に純粋な拡大が期待しにくい

 大手ゆえに基本的な条件はいい印象がある一方、2020年2月に1000人を超える規模の希望退職(40歳以上の社員が対象) を募ったり、売上の伸びが頭打ちになっていることから組織内の課題が多く噴出している印象を受けました。残っている従業員が自分の生活そのものについて不安に思っているため、ちょっとしたトラブルが大きな揉め事に発展することも多く、入社には相応の覚悟が必要です。

 ただし、まれに「混沌とした現場の立て直しが好きで得意」という特性の人がいるので、そういう人にとってはやりがいがある現場であると考えられます。しかし、多くの人には勧めにくい現場でしょう。

ファミリーマート「ホワイト/ブラック度」判定

ファミリーマート:★★★☆☆

 新型コロナウイルス流行に伴う外出自粛による客数減を乗り切った1企業です。休校支援目的で商品の無償提供を行うなど、プラスの対応も行っている点も評価できます。

 また、コンビニはフランチャイズ店舗と本部の関係性が取り沙汰されやすい傾向にありますが、時短営業を公式に認めるなど、店舗拡大に限界がある現状を踏まえた対応を着実に進めている点が印象的でした。今後のセルフレジ対応拡大など、効率改善の取り組みにおいて注目すべき点も多いでしょう。

 しかし、店舗減に伴う余剰人員を整理する目的で希望退職を募ったことが現場への悪影響を及ぼしている可能性があるのが非常に気になりました。余剰人員を整理することが必要な局面はもちろんありますが、残ったメンバーへの悪影響は必ず出るタイプの施策なので、残ったメンバーへのケアが必須であると言えます。

 また、この局面ではプラスのモチベーションをもって働ける人は非常に限られているため、率直に言っておすすめしにくいです。これらのマイナス要素を踏まえて、最終的に★3としました。

<取材・文/アラートさん>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
Twitter:@blackc_alert
note:ブラック企業アラート

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