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まるで中国の傀儡?コロナ危機「WHO」を巡って米中の対立が加速

ビジネス

なぜテドロス氏は中国の傀儡と疑われる?

 近年、テドロス氏の出身国エチオピアは「一帯一路(※習近平総書記が提唱したインフラ投資計画)」の影響で中国から多額の援助を受けており、経済的結び付きが強い。

 テドロス氏は、マラリアの研究者だが、2005年から2012年にかけて保健大臣を、それから2016年まで外務大臣を務めた大物政治家でもあり、中国政府との経済的癒着は想像に難くない。

 国営の新華社通信は3月9日、テドロス事務局長をはじめWHOは感染拡大の防止に重要な役割を果たしたとして、日本円にして21億円を中国政府が寄付すると発表した。

 中国がこんな態度を取るなら、世界から非難が噴出しても仕方がないだろう。1つに、新型コロナウイルスが欧米で猛威を振るうなか、これが新たな米中対立に繋がるかも知れない。米中貿易摩擦など米中対立は世界経済にも大きな影響が出ることから、みなさんのマネー事情にも身近な問題になるはずだ。

トランプはめちゃくちゃ怒っている?

ホワイトハウス

 すでにトランプ大統領は19日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国の初動体制を強く非難し、ホワイトハウスでの声明文書の中で、「コロナウイルス」と書かれた箇所を「中国ウイルス」と自身で書き直していたという。

 内心、めちゃくちゃ怒っているのではないか。トランプ大統領は4月8日(日本時間)、「WHOは大きく失敗した(The W.H.O. really blew it. )」とツイッターに投稿。「米国による大規模な出資にもかかわらず中国中心主義となっている。われわれはこうした点を精査する」と述べ、WHOへの資金拠出停止を示唆した。

 また、秋の米大統領選挙への影響が指摘され始めている。トランプ大統領は、いい悪いは別にして、これまで好調な経済を成果としてアピールしてきたので、コロナによってアピールポイントがなくなることを心配している。今後、これが世界経済にさらなる悪影響を与えることが懸念される。

 そのさなか、米メディアは4月1日、中国の感染者数と犠牲者数は実際よりも過小に発表されていると報じた。

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