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最新「ルンバ」は丸型から“D型”に。日本法人代表に聞く「家庭用ロボット」のあり方

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 昨今、家電業界ではAIやIoTなどのテクノロジーを活用した「スマート家電」が注目を集めている。スマホ端末を利用してインターネットと接続することで、家電としての機能だけでなく身の回りの情報も可視化し、生活の利便性向上に大きく貢献している。

アイロボット

アイロボットジャパン合同会社 代表執行役員社長の挽野 元氏

 スマート家電が暮らしをより豊かにし、生活水準を上げるために必要なものとして認知されつつある中、ロボット掃除機「ルンバ」は約20年もの間、ロボットによる自動で部屋の掃除を行うプロダクトとして市場を牽引してきた。

 ルンバを生み出した米アイロボット社は、今年で創業30年を迎え、同社の手がける家庭用ロボットの累計販売台数は世界で3000万台に上る。

 今後の家庭用ロボットのあり方や、ルンバの目指す未来についてアイロボットジャパン合同会社 代表執行役員社長の挽野 元氏に話を伺った。

大学で生まれた「ルンバ」誕生秘話

 ルンバの生みの親であり、米アイロボット社共同創設者のコリン・アングル氏は、MIT(マサチューセッツ工科大学)にて、今でいうAI(人工知能)の研究をしていた。

「創業当初は、共同創業した大学のロボット学者らと開発した『ロボット技術』を生かして、産業用の地雷除去や宇宙探査、ピラミッド調査など、人が入っていくのには危険な場所に行かせるロボットを手がけていました。コリンは『昆虫の動き』に着目して、ロボット開発の礎を築いてきたのです」(挽野氏、以下同)

 人間の代わりに動き、実用的なロボット開発を続けてきた同社は、掃除機ロボットの構想を具現化するまでに様々なステップを踏んできたという。

「ルンバが誕生するまでには3つのプロセスがあります。1つ目は、他社とのコラボレーションにて赤ちゃんロボット『My Real Baby』を手がけた際にローコストによる大量生産について学んだこと。2つ目は業務用の掃除ビジネスを行う中で、クリーニングに関する知見を広げたこと。そして、産業用ロボットで培った物体認識の技術を持ち得ていたこと。これらの知見や技術を結集してできたのがルンバになります」

 1960年代のTVアニメ『宇宙家族ジェットソン』で登場するロボット家政婦「ロージー」のようなものを作りたい。このような構想を描いていたコリンは、ドットコムバブル最中の2002年、投資家からの資金調達を完了し、準備が整ったタイミングで初代ルンバを世にお披露目したのだ。

技術革新を常に行う姿勢が全世界で愛用

ルンバ

ルンバ歴代のモデル一覧

 ルンバが世の中に登場して以来、「ロボット掃除機」という家電のカテゴリーが誕生。アイロボット社以外のメーカーも追随すべく、後発でロボット掃除機をリリースしていくなか、先駆者であるルンバは絶えず製品機能の改善に注力してきた。

「2002年の初代ルンバから、ほぼ毎年のように機能をアップデートしたモデルを発表してきました。ユーザーに寄り添い、より良いライフスタイルの実現に向けて、あくなき技術改良を続けてきたことが、全世界で愛用されるようになった一因だと自負しています。また、多彩な製品ラインナップを揃えることで、ユーザーの様々なニーズに応えることができていることも、ルンバが多くの人に支持されている理由でしょう」

 2018年に発売した「ルンバ e5」は、吸引力やクリーニングシステムといった清掃力はもちろん、WI-FI接続可能で専用アプリ「iRobot HOME アプリ」を用いて清掃状況やスケジュール確認など、高性能でありながら5万円を切る価格帯で、これまでアプローチできなかった層に受け入れられるようになった。

「ルンバ e5のプライシング戦略は功を奏し、『ルンバは知っていたけど、手が届かなかった層』に普及させることができ、急速にロボット掃除機の裾野が広がったと思います。また、最近ではサブスクリプションサービスの施策も行なっており、『Robot Smart Plan(ロボットスマートプラン)」では月額1200円からルンバを手軽に試してもらえる機会を提供しています」

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