休日出勤、電車賃自腹…ブラック企業でそれでも働き続ける3つの理由
ブラックだが同僚には恵まれている
「もちろん転職については頻繁に考えています。しかし新卒から一緒に頑張ってきた同期もいますし、みんな似たような境遇だからか年齢問わず社員の仲は良いんです。
倉庫作業が夜中まで続いた時も、お互いに冗談を言いながら作業をしています。なんなら家族みたいになってしまって、なかなか辞めるって決意が固まらないんです。辛いことを共有しすぎているせいだと思います」
社内規則には苦しみながらも、その中に楽しさを見出している吉野さん。確かに同僚に恵まれた環境というのは手放したくないですよね。
「他の理由としては、『転職で環境が変わる』って確信が持てないからなんです。転職しても結局、似たような社風の会社の可能性があるなら、人の良い今の会社にいたいなって思います。あとは単純に、休みが少ないので転職活動をする時間もありません」
現状よりも環境が悪化するリスクを考えると転職を躊躇するのも仕方ないのかもしれません。同僚に恵まれた会社であればこそ、世間に足並みを揃えて「働き方改革」が進むことを祈ります。
<TEXT/和泉太郎 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>