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シャープ、ZOZOは…?社員から見たM&Aの「残酷な現実」

ビジネス

 近年、事業承継や個人M&Aなど小型M&Aを行う動きが活発化しています。そもそも素人のM&Aはリスクが大きく推奨しないということや、厳しい経営状態でサラリーマンが生き残るための術を新著『日本人が知らないプロリーダー論』(PHP研究所)で説明しているのは、海外の会社経営に携わり1000億円以上の黒字化に貢献した小早川鳳明氏。

M&A

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は、M&Aブームが一般のサラリーマンに及ぼす悪影響について解説してもらいました(以下、小早川氏による寄稿)。

買収されれば経営方針が大転換する

 経営悪化が続いたため、会社がM&Aで買収され、経営方針の大転換に見舞われた会社は数多く存在します。シャープは台湾の鴻海グループに買収されました。この会社買収の直後から、社内では鴻海グループと共同でグローバルに事業を進めるようにとアナウンスされたことでしょう。

「鴻海グループとの共同調達の導入※」、「鴻海グループの既存製品にシャープのブランドロゴを付与して販売する」、「鴻海グループのアジア・北米の大規模な販売チャネルを活用して商品販売を行う」などです。

 これらは、これまでシャープの社員が行ってきたビジネスの規模からは程遠いものあったはずです。大幅な事業構造の改革に見舞われたと考えられます。グローバル市場をとらえて、ドラスチックに経営方針を変更し、鴻海グループの一員として、広い視野を持って仕事をすることが求められたのです。

(※鴻海グループとの共同調達の導入:これまでシャープが単体で仕入れをしていた部品を、鴻海グループでまとめて大量に仕入れることで大量購入による割引価格で部品を仕入れることを狙う調達方法)

日本人が知らないプロリーダー論

日本人が知らないプロリーダー論

海外の会社経営に携わり1000億円以上の黒字化に貢献した著者が、ハーバード、MIT、外資コンサルなどグローバルトップリーダーが実践してきた経営の真髄を本書に集約

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