「ネガティブ経歴をプラスに変える経歴書・面接テク」就職転職カウンセラーが伝授
補足説明でネガティブ経歴をプラスに変える
UZUZでは、書類選考の通過率を向上させるために、企業にエントリーする際、求職者のネガティブな経歴の補足説明を行っています。ネガティブ経歴というのは、次のようなものです。
・学校の中退、留年、休学
・新卒での就活をやっていない、就活に失敗したこと
・学校卒業後の空白期間
・短期離職(短期ではない退職も含む)
基本的にネガティブな経歴については、ありのままを伝えるようにしていますが、さすがにこれは伝え方を工夫しないと心象が悪すぎるというケースでは、意識的に情報を取捨選択し、編集しています。その例を挙げると、次のようになります。
<編集前>
「前職では上司とウマが合わず、質問すらできない関係性となってしまいました。それにより業務も進捗が遅れ始め、最終的には納期遅れを複数回発生させてしまい、気まずさから退職いたしました」
このように、ただ事実を書いてしまうと、「こんな理由で辞めてしまったのであれば、うちの会社でも同様に続かないだろう」と悪い心象を与えてしまい、面接までたどり着けず、書類選考でお見送りとなってしまいます。そこで、このように編集します。
<編集後>
「前職では体育会系の上司だったこともあり、『見て覚えろ』というスタンスに最初は戸惑いながらも合わせるべく努力していました。しかし、質問しようにも上司が忙しかったり、心理的ハードルから質問を溜め込むようになってしまいました。結果として、進捗が遅れてしまい、納期遅れを発生させてしまいました。これ以上は周囲に迷惑をかけてしまうと考え、退職を決意しました。ただ、この退職に関して、上司と関係性を強めるためのコミュニケーションであったり、直属の上司以外にも相談できる相手を作っておくことの重要性を学び、同様の失敗を繰り返さないよう対策を打ちたいと思います」
より詳しい事情を入れながら、かつ前職の批判にならないよう気をつけて書くと、「これは本人だけの落ち度ではないかもしれない」「失敗から学ぶ姿勢もあり、再発防止策も考えそうだ」と同情的、かつポジティブな心象を得ることができます。
この経歴補足は事前に求職者とすり合わせて作ります。本人の同意も取り、内容に相違がないように注意して作ります。完成した経歴補足の説明文を企業に送る際には同時に求職者にも共有しています。
もったいない書類選考を減らす書き方
UZUZでは、求職者の情報を管理システムにすべて入力しているため、どのような経歴の人がどのような経歴補足で落ちたのか、キャリアカウンセラーは閲覧することができます。事前にこういう準備をしておけば、もったいない書類選考での“お見送り”を少しでも減らすことができます。
書類選考が通過して面接に進む場合、事前にこの補足説明で問題ないことは確かめているので、面接でその点を聞かれても、余裕をもって同じ回答をすることができます。書類選考の通過率が上がり、かつ事前に最大の悩みであるネガティブな経歴の回答の反応をチェックすることができるのですから、まさに一石二鳥です。
さらに経歴補足にアピール材料も追加することで、心象をさらに良くする工夫をしています。工夫のしどころは、ポジティブな情報ばかりでは信憑性の低い情報だと思われてしまうため、懸念点も合わせて記載することです。
これは実際にエントリーする際に使用した経歴補足(アピール材料、懸念点含む)の説明文です。
【アピールポイント】
・大学時代は電気電子情報工学を専攻しており、光学、電池、C言語といったハードウェアからソフトウェア分野まで幅広く学んでおります。
・学生時代はゲームアプリ開発のサークルに所属しており、C++も使用経験があります。
・アルバイトでは個別指導講師を行っており、相手目線で物事をわかりやすく説明することができます。
・100名規模のサークルを副部長としてまとめていた経験もあり、マネジメントへのステップアップにも興味を示しています。
【懸念ポイント】
・中退後の時間の使い方に若干の後悔がありますが、次に目を向け、ポジティブに進んでいく意志を持っています。
アピールのポイントは、できる限り具体的な知識やスキル、経験を書くということです。もちろん業務に役立つものであれば、よりよいアピールになります。また、サークルや部活動における協調性やグループマネジメントに関しても記載できる内容があれば書き加えます。
懸念点に関しては、「反省を生かして次に」というスタンスで、必ず最後はポジティブな情報で終わらせるようにしています。
<TEXT/川畑翔太郎>