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東大卒の35歳厚労省官僚が「プロのキックボクサーになった」理由

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給料の電子マネー払いをどうするか?

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――ところで厚労省ではどんな業務の担当をされているのですか。

松本:僕は2007年に入省して今年で勤続12年目。いろんな部署を転々としていますが、今は労働基準局の賃金課という部署で課長補佐をやらせていただいてます。

 最低賃金制度のほか、最近はペイロールカードと言って、給料の電子マネー払いを今後どう実現させるのかとか、需要がものすごく増えているLINE PayやPayPayについても給与の支払手段化できないかを検討したりしています。

――将来的には給料のデジタルマネー払いも可能に!?

松本:まあ検討の段階には入っています。今いる賃金課の前は働き方改革実現推進室で、その前は感染症系の担当をしていて、その時は世界的にエボラとマーズ、さらにジカ熱も流行していたので、擬似症の疑いが出たという連絡をもらうと、対応に3日徹夜とか、すごく忙しかった記憶があります。幸い国内にそれらの感染症が入ることはなかったですが。

危機感が霞が関にもある

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筆者も松本氏のキックを体験

――霞が関の労働環境は相当ハードなイメージがありますけど、実際そうなんですね。

松本:近年は入省したての若手が辞めてしまうことも少なくなくて、正直なところ人手不足感は否めません。今はいろんな仕事の選択肢がありますが、それでも我々としては優秀な人材に入省して欲しいと願っているのが本音です。

 つまりそういう優秀な人たちに選ばれる職場であるためには、労働環境をないがしろにするわけにはいきません。だからこのままではダメだ、という危機感が霞が関にもあると思います。

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