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浪費や投資のために借金が数十万円…アラサーが借金に手を出す事情

コラム

情報商材にハマった男子の上京物語

 2年前に北関東から上京してきた佐藤祐介さん(仮名・30歳)の抱える借金は合計200万円。SNSでの情報商材や会員制サロンなどにつぎ込み、キャッシングはもちろんのこと、家族や友人からもつまんでいるとか。

 派手な金遣いとは裏腹に、佐藤さんの外見は遊びっ気とは無縁そうで、むしろ純朴なタイプに見えます。が、心の奥底にはギラギラと秘めるものがありました。

「僕の地元は本当にザ・田舎といった雰囲気で、昔からどうしても上京して、一旗揚げたいという悶々とした思いは募る一方でした。なので、上京することを目標に地元でお金を貯め続け、ようやく2年前に引っ越すことができました。新卒って年齢でもないし、ツテもないので派遣の仕事をしながら細々とした生活を送らざるを得ませんでしたが、常に何かやってやろうという野心だけは持ち続けていました」

 そんな佐藤さんが借金に手を染めたのは、上京して半年経った頃。高額な情報商材の購入がきっかけだった。

「SNSを通じて知り合った知人に勧められ、FXの商材を購入するため、初めて借金をしました。借金というよりは投資に近い感覚で、FX以外にもブログの収益化のノウハウ本や株の投機取引指南教材も購入しましたね」

ビジネスへのやる気は十分だった

情報商材

 高額な教材費ですが、返済の余地はあるのでしょうか。そんな心配をよそに佐藤さんは「なんとかなります」と言い切った。

「確かに借金といえば聞こえは悪いですが、なくなったお金ではないので大丈夫です。事実、FX取引は自分もやっていて、利益を上げていますし、教材を売ってもらった先生とは今もやり取りをしていて、必勝パターンなどを教えてもらっています。ブログもまだ下準備の段階なので、まとまったお金ができれば、ちゃんと返すので問題ないです」

 業者の手厚いフォローを受け、佐藤さんはやる気に満ち満ちています。しかし、話題が返済のことに及ぶと不明瞭な点も多く……。

「キャッシングについてはリボ払いにしているので問題ないのですが、家族や友人には早く返さないとなっていうのはありますね。信用を失ったら終わりだと思ってるので。まずは、株やFXで目先の利益が出たらすぐに返済に充てようと考えてます。まだまだ、これからですよ」

 佐藤さんがどこでキャッシングしているかわかりませんが、一般にキャッシングは金利が年率15〜18%とバカ高い。そして、リボ払いは返済が毎月一定額なので借金している感覚がマヒして、いつまでたっても返し終わらない。マネー専門家の多くが「絶対にやってはいけない」と言うパターンにはまっているのですが…。

 借金全額返済に向け、日夜投資に奮闘する佐藤さん。投資を借金で行うのは最大の失敗パターンですが、もう始めてしまった以上、前向きな彼の未来を応援したいところです。

特集・借金苦に陥る若者たち

<取材・文/小畑マト イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

自称ノンフィクションライター。犯罪、薬物、売春などドロドロした原稿をトロトロ書いてます

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