達成率500%を実現した「スーツ形のジャージ」のクラウドファンディング。超アナログな舞台裏
“初日で100万の支援”の裏側にあったもの
――さて、今回のプロジェクトにおいて、開始後3時間半で目標額を達成させた仕事術はなんだったのでしょう。
東:今回のクラウドファンディングには、先ほどの自転車旅中に人とのつながりで助けられた経験が大きく影響しています。その旅では大学時代の同級生の元に立ち寄りながら南下したのですが、自分勝手な旅にもかかわらずみんな歓待してくれたんです。
だから、初日に目標金額を達成するという話題作りのため、彼らの元に足を運んでリコメンドすることに決めたんです。つながりに助けられた経験があったからこそ、自分のビジネスも人とのつながりにかけてみました。
――ネットで情報拡散させるわけでなく、“足で稼ぐ”という超アナログな営業手段を採用したわけなのですね。
東:クラウドファンディングって、“物語に人を巻き込む仕事”なので、人とのつながりを重んじる僕のやり方に合っていたんだと思います。
その他にクラウドファンディングを利用した理由は以下の5つがあります。
① キャッシュフローのリスク軽減
② テストマーケティングができる
③ 生産数を確定できる
④ ビジネスの実績作りになる
⑤ 在庫管理がしやすい
店舗を構える必要もありませんし、リスクが少ないというのがメリットですね。
友人にリコメンドしたところで、商品に納得しなかったら支援には繋がらないはず。でも、実際に支援してくれたのは商品に魅力を感じてくれたからなのだと思っています。出資者は当初、友人とその周りの知人でしたが、その後は実際に「Makuake」(クラウドファンディングサービス)を見た人からの出資が集まり、結果、達成率500%につながりました。
日々のとあるクセが、成功のカギ!?
――最後に、目標を追いかけ続けて実現させた東さんの成功のカギを教えてください。
東:まず、有言実行のクセをつけることですね。僕は、子供の頃から「社長になる」という目標は公言していました。マラソンのレース前にも目標タイムを言うことで、自分のモチベーションを高められるし、苦しいときにも踏ん張りが効きます。また、有言実行を心がけると、筋の通った人としての信頼も得られます。
さらに、言葉は自分だけでなく周囲にも影響を与えます。口にすることで共通の問題意識になるんです。今回のプロジェクトでも、「初日に目標額を達成する」と周囲に公言したところ、知人を紹介してくれた人が何人もいました。ここでもつながりの大切さを再認識させられました。
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今回のプロジェクト成功の理由は、東さんの目標達成意識、有言実行のクセ、つながりを重視した営業術にあったようです。気鋭のT-FOは今後どのような発展を見せてくれるのか注目です。
⇒次回、<汗だくになる悩みも解消。新感覚「スーツ×ジャージ」ウェアの開発秘話>に続く。
<取材・文/阿形美子>