オフィス中が地獄の悪臭。いったい何が…夏のスメハラ事件
ニオイにより周囲を不快にさせる“スメハラ”ことスメル・ハラスメント。原因となるのは体臭や衣服のニオイだけではないようです。
月刊誌を数点発行する中規模の出版社で働く橋本亘輝さん(仮名・29歳)が所属しているのは、最新のガジェットや、巷で噂になっているサービス検証するいわゆる“モノ系”の雑誌編集部。
常に新しい事柄を扱うため、好奇心旺盛な人が多く、誌面で使用した調理器具やキャンプ用品などを活用して、社内で自炊する人も珍しくなかったそうです。
職場でカレーを作る上司、女性から大ひんしゅく
「給料日前にお腹を空かせているときなんかはありがたかったですよ。まるで炊き出しです(笑)。最近の調理家電は、レベルが上がっていて、誰が作ってもそこそこ美味しい料理が出来上がります。それまで自炊したことないって人が、突然ハマってしまうパターンも見受けられました」
橋本さんの上司も記事で取り上げたことがきっかけで、スパイスから作るカレーにハマっていました。当初は、時短で出来る比較的簡単なレシピを振舞っていましたが、段々とエスカレートし、食材をマリネしたり、煮込んだり……。週に数日、早めに出勤してカレー仕込みを始めるほどの熱の入れようだったとか。
「僕はカレーが大好物だったので、特に不快に感じることはありませんでした。他の社員からも好評でしたが、唯一ピリピリしていたのが、アラサーの女性デスク。合コンで、意中の男性から『カレー臭くない?』っていじられたことで、気分を害したらしい。
カレーが作られた日の帰り際は、毎回ファブリーズを1回で使い切るんじゃないか? くらいの勢いでアウターに吹きかけてましたね(笑)。その鬼気迫る様子を見て、マイペースな上司もさすがに察したようで、用具一式を持ち帰ってしまいました」
馬のすじ肉煮込みで社内は地獄絵図に
社内での自炊にまつわるネタが豊富な橋本さん、夏に差し掛かると思いだすエピソードが2つあるそうです。
「1つ目は、地方に出張に行くと、お土産でご当地食材を買ってくることもあるのですが、以前、同僚が、関西地方の肉屋で仕入れてきたのが馬のすじ肉でした」
あまり馴染みのない部位だったので、どうしたらベストなのか、意見を出し合った結果、煮込みを作ることに。月桂樹の葉や紹興酒を大量に投入して、圧力鍋でじっくり煮込んだそうです。
「目論見通り、獣臭は消え、それなりに美味しく出来上がりました。珍しい馬肉の煮込みを求め、我先にと箸が進み、ほんの数分で完食しました」
珍味にありつけた満足感に包まれたのは、ほんの束の間でした。どうやら長距離の移動で肝心の馬肉が痛んでいたようで……。
「食後1時間ほどすると。トイレの個室前には長蛇の行列が……。なかには急かされて個室から出てたせいか、すぐにもよおしてしまい再度行列の最後尾に接続する人の姿も。さながら地獄絵図でした……」