現役大学生が日本一の繁華街に「人狼ゲーム専門店」を開くまで
出店コストを下げる“二毛作”の工夫も
人狼ラウンジがある新宿歌舞伎町は日本最大の繁華街。それだけにテナント料金が高そうなイメージがありますが、コストを抑える工夫について、Tetsuさんは語ります。
「歌舞伎町は、ホスト、キャバクラ、ガールズバーなど夜がメインのお店が多い街です。基本的に夜のお客さんをターゲットに、深夜営業する店が中心です。つまり、夜の営業のためにテナント料金を払っている状況。反対に、昼営業している店は少なくて、“空きの時間”となってます」
人狼ラウンジのイベントは主に週末の昼に開催、店舗は昼のターゲットと夜のターゲットを明確に分けて営業をしています。この“二毛作”によって、人狼カフェの採算ラインはかなり下げられたといいます。
「人狼ランジのためだけにお店を借りたら、なかなか採算は合いませんでした。ただ歌舞伎町は、“夜”のイメージが強すぎるので、はじめての方にどうやって足を運んでもらうか、親しみを持ってもらうかは今後の課題です。人狼をやってる店にいきなり飛び込むのって勇気がいるかと思いますが、初心者が多く来店しているので気軽に来てほしいです。ルール説明を充実させたビギナーズ人狼も定期的に開催してます」
お酒を飲みながらボードゲームを当たり前に
人狼ラウンジは、代表と副代表の共同運営というスタイルで営業しています。運営を巡ってのトラブルはないのか聞いてみました。
「お店の代表と僕は価値観が全く違う人種で、だからこそ組んでやるビジネスは面白いと思ってます。当然、価値観がぜんぜん違うのでぶつかることも多いですが、同じ価値観の人と組むより得られるものも多いです」
ゲームに興じるお客さんをカウンター越しに見るTetsuさんは、見ず知らずの人同士がゲームを通じて関わりを持てることが素晴らしいと感じるそうです。
「お酒を飲みながらのカラオケ、お酒を飲みながらのダーツが一般的であるように、『お酒を飲みながらのボードゲームや人狼』が一般化して欲しいです」
ボードゲームの密かな人気は、今後も広がりを見せていきそうです。
<TEXT/栗林篤>