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地元密着、異色のドラッグストア。年商230億円を遂げた経営戦略

ビジネス

若年層にも広がるドラッグストア利用の機会

 株式会社プラネットが2018年におこなった「ドラッグストアに関する意識調査結果」によると、ドラッグストアを“週1回以上”利用している人の割合は28.6%で、2017年に比べると2.6%上昇していることが分かっています。

 さらにこの調査では、意外なことに中高齢層よりも若年層ほど利用頻度が高いことも分かっています。週1回以上ドラッグストアを利用しているのは20代男性(41.1%)、20代女性(40.9%)、30代男性(40.0%)となっており、逆に70代以上女性(19.8%)、60代男性(21.3%)、70代以上男性(23.1%)となっており、若年層ほどドラッグストアを利用するという意外な結果が出ています。

 また、ドラッグストアを利用する理由としては「価格が安いから」(62.8%)、「商品の種類・選択肢が豊富だから」(39.9%)となっています。また、女性に限って見てみると「ポイントカードがあるから」(43.2%)となっており、「価格が安いから」に次ぐ2位にランクインし、ポイントカードの取り組みが購買意欲の向上に繋がっていることが分かっています。

 サンキュードラッグでは、高齢層にターゲットを絞った経営戦略が立てられていましたが、全国的に見ると、若年層にもドラッグストアが頻繁に利用されているようです。以前から、ドラッグストアがスーパーマーケットに取って代わる存在になると言われていますが、今後、ますます身近な存在になるのかもしれません。

小売業のゲームチェンジャーとなるか?

経営者

「これからは、小売の業界も変わってくるのかもしれない」
「あんな店が都内にもあったら、良いのになあ」

 ネットではサンキュードラッグの経営に対し、好評な意見が多数を占めていました。実際に毎日利用しているという人の投稿もあり、まさに地元に愛されている企業なのでしょう。

 当番組のアシスタントを務める小池栄子氏に「大手から買収をもちかけられたことは?」と質問された平野氏は「何度もある」と回答した上で、全て断っていると一刀両断。「そもそも(全国チェーン)とは生き方が違う。私たちは地域に特化するために全国展開はしない」と続けました。

 番組ホストの村上龍氏は、編集後記で「サンキュードラッグの躍進は、恐竜が衰退し、小さな哺乳類が地球の主役になっていく過程を連想させる」と述べ、人口減少・高齢化社会の到来に、サンキュードラッグのような地域密着型モデルが小売業のゲームチェンジャーとなるかもしれないと指摘しました。

 ドラッグストアが今よりも身近なものになって、日々の生活をサポートする存在になるかもしれません。

<TEXT/湯浅肇>

写真をメインに数多くの時事ネタやマルチメディア関連の記事も執筆。常に斬新な切り口で情報発信を目指すアラサー男子

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