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「クソデブ!」と罵倒されても…肥満女子がアイドルになった理由

暮らし

それぞれが味わったコンプレックス

びっくえんじぇる

「過去には体型をネガティブに捉えていたこともあった」と3人

――幼い頃の経験から一転、今度は太っていることを武器にしてアイドルになったというのも稀有ですね。

多田:ちっちゃい頃は自分の体型をネガティブにしか捉えられなかったけど、大人になってから“ぽっちゃり”を好きな人もいるんだと気付いたんですよ。それこそぽっちゃり系のメイド喫茶が流行り始めたり、みっちゃんが専属モデルをやっている『la farfa』(ぽっちゃり女子のためのファッション誌)が出始めた時期でしたね。

 私も勇気づけられたので、今度は自分が「誰かを変えられるきっかけになれれば」と思えたのもアイドルになるきっかけでした。

――太っていることへのコンプレックスはみなさんも抱えていたのでしょうか?

大橋:女優を目指して上京した時期は悩んでいました。当時は体重が54kgで、養成所の先生から「あと5kgやせてくれ」と言われたんですよ。そこから半年間、水とヨーグルトだけの生活をしていたんですが、結局なかなかやせられなくて……。レッスンのたびに体重計に乗せられて、いっこうに成果が出ないまま数字と戦い続けるのは、しんどかったですね。

ネットに「デブ」と書き込まれ……

びっくえんじぇる

「過去に所属していたグループでは、無理なダイエットをしてしまったこともあった」と橋本さん

――そこからどうやって、自分なりに乗り越えたんですか?

大橋:『la farfa』で専属モデルに選ばれてからが、転機でしたね。まだ読者だったときに雑誌を見たら、語弊はあるかもしれないけど「みんなデブなのにすごい笑顔だし、自分を受け入れてるんだ」と励まされて。そこからです。まずは自分を愛そうと思えるようになって、少しずつ自信が持てるようになりました。

――橋本さんも、苦しかった時期はありましたか?

橋本:私は学校でも陰でコソコソ「デブ」と言われていたのは知っていたし、それがきっかけだったのか、中学3年生のときにはクラスのグループLINEに入れてもらえなかった経験もあります。

 じつは、それを「見返してやる」と思ったのも初めに地元のユニットへ加入したきっかけだったんですが、やっぱり逆境もありました。当時は運営のスタッフさんからずっと「やせろ」と言われていて、みっちゃんが水とヨーグルトのみで生活していたと話していたけど、私は授業中にトイレへ何度も駆け込むほど下剤を飲んだり……。今考えると、けっこう無理めなダイエットで自分を追い込んでいた時期もありましたね。

――初めのユニットでは、周囲の反応はどうだったんでしょうか?

橋本:他のメンバーが細い子たちばかりだったので、やっぱりネットの掲示板で「デブ」と書き込まれたりもしましたね。ただ、自分なりには当然ショックだったけど、なかには「太っているから好き」と言ってくださるファンの方もいて。いまだに現場でお見かけするんですけど、その人たちが支えてくれたからこそ今こうして頑張れていられるのかもしれません。

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