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“節税保険”販売中止で、ギラギラした若手保険セールスマンが消える?

ビジネス

 生命保険業界大手4社が2月中旬に、特定の法人向け定期保険の販売を停止する意向を明らかにしました。

画像はイメージです(以下同)

 この金融商品は「節税」効果があるとして、中小企業の経営者向けに販売競争が加熱していたのですが、人気商品を失った業界が今後どうなっていくのか? 生保業界に従事者の声と合わせて書いていこうと思います。

節税保険に対する国税局の“鉄拳制裁”

 まず今回、取扱中止になった保険の概要についてですが、各社からさまざまな商品が出されているなかで共通しているのが、「保険料の支払いが100%近い割合で、損金計上できる点」「短期間での解約返戻率が高く設定されている点」です。

 保険料の「損金計上」とは、法人税の対象である課税所得から保険料を損金として差し引きできるというものです。これにより、法人税の支払額を圧縮することができます。

解約返戻率」とは、定期保険を解約した時に戻ってくるお金が、実際に払ってきた保険料に占める割合です。この返戻率が高い時に解約すると保険料がたくさん戻ってきます。

解約を前提とする契約が増加していた

 加入者はこれによって、年ごとの法人税額を抑えつつ、返戻率が高いタイミングで解約します。返戻金には税金がかかってしまうので、役員の退職金や設備投資などにこれをあてることによって、納税額を調整することができました。そのため、これらの商品は「節税」効果が高いとして、経営者による解約を前提とする契約が増加していました。

 しかし、国税局はこうした状況を問題視するようになり、ついに「解約返戻率が高い商品の損金計上の割合を下げる」旨の案を生保の各担当者に示しました。保険本来の目的である相互扶助よりも、副次的な効果である節税に重きを置いた商品設計・販売方法が問題視されたのだと考えられます。

 この案は決定事項ではないのですが、保険商品の節税効果を今後、保証できなくなることを懸念した各社が取扱いを中止にした次第です。また、実際に税法改正があった際に既存契約には干渉されないようにしている意図も伺えます。

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