サンドウィッチマン、好感度ナンバーワン芸人を生んだ2つの戦略
突然ですが、あなたはサンドウィッチマンのことをどう思いますか? そう尋ねられたら、恐らくほとんどの人が「好き」とか「面白い」などと答えるのではないかと思います。
平成が終わろうとしている今、人々の価値観はかつてなく多様化しています。そんな時代において、お笑い界で老若男女に愛されている数少ない芸人の1組がサンドウィッチマンなのです。
“圧倒的好感度”のサンドウィッチマン
彼らはいまや押しも押されもしない好感度ナンバーワン芸人です。2018年の『日経エンタテインメント!』と『週刊文春』の「好きな芸人ランキング」のいずれにおいても、それまでトップだった明石家さんまさんが2位に退き、サンドウィッチマンが1位に躍り出ました。
しかも、それだけの圧倒的な人気がありながら、「嫌いな芸人ランキング」のほうではランクインしていないのです。一般的に「好きな芸人ランキング」で上位に入る芸人は認知度が高いため、それだけ嫌っている人の絶対数も多くなり、「嫌いな芸人ランキング」でもある程度上位に食い込むのが普通です。
ところが、サンドウィッチマンにはそれがないのです。幅広い世代の全国民に愛されていて、嫌う人がほとんどいない。これは本当に珍しいことです。
『M-1グランプリ』優勝で世間に認知される
そんな彼らが世に出るきっかけになったのは、2007年の『M-1グランプリ』です。ここで彼らは敗者復活からの奇跡的な優勝を成し遂げて、一躍時の人となりました。
その勝ち方があまりにも鮮やかだったため、彼らの活躍はドラマチックに語られることが多いのですが、もちろん彼らの優勝は偶然ではありません。そこにはいくつかの理由があったのです。
第一に、彼らはM-1で勝つためのネタ作りに徹底的にこだわっていました。ネタ作りを担当していた富澤たけしさんは、過去のM-1の映像や質の高い漫才の映像を片っ端から見て、自分たちに取り入れるべきところを探していました。
もともと自分たちのネタには自信を持っていたのですが、ライブで普段やっているネタをそのまま持っていってもM-1では通用しません。M-1で勝つためには徹底的に無駄を削ぎ落とし、完璧な4分の漫才を仕上げる必要があったのです。