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上司の「ドヤ顔訓示」との向き合い方。要注意は“本田圭佑”課長?

学び

厄介な「本田圭佑課長」との付き合い方とは?

 ただ、すこしだけ本田圭佑課長をほめておこう。

 このようにカッコつけて何か言おうとして滑るのは、努力しようという意志が感じられるので、まだいい。企業人としてうんざりするのは、言うことが受け売りだらけという経営者や管理職ではないか。

 会社員時代、引いたのは副社長の全社朝礼でのスピーチが日経の社説そのまんまの受け売りだったことだ。もっとも、多くの社員はそれに気づかず、「副社長、勉強している」という空気さえ流れていたのが印象的だった。

 同様に、経営者や管理職のスピーチでは、彼らが尊敬する経営者や著者などの引用というか、盗用がよく見受けられる。引用元を明記するならまだいいが、あたかも自分の言葉のように語るからタチが悪い。松下幸之助、本田宗一郎、ドラッカーなどの言葉は前もってチェックしておこう。

 このように、本田圭佑課長が何か話し始めたら、間違っている点をちゃんとメモし、面白がろう。ただ、社内はともかく、社外でも言い出したら迷惑なので、やんわりと間違っている点を指摘しておこう。

 他にも、気合と根性だけの松岡修造部長、やっていることのスケールが大きすぎて理解不能な前澤友作社長などがいるが、とにかくこのシーズンは「有り難い訓示」をひたすら傍観し、面白がろう。花粉症もふきとぶはずだ。

<TEXT/常見陽平>

働き方評論家。千葉商科大学国際教養学部准教授。1974年、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数
■Twitter:@yoheitsunemi

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