「飲み会の企画書提出して」幹事の新人社員を指導するイタい先輩
飲み会でPDSサイクルをまわすって?
葵さんはぐったりした様子で話を進めます。
「その後、Yさんから自作の企画書のフォーマットを渡されました。『なぜ飲み会を開くのか、会の目的はなにか、そのためのゴールはどこにあるのかを明確にして、そのためにどのお店を予約して、余興はどうするのかを考えて企画書を埋めるように』と言われたんです」
これはいわゆるPDSと言われ、計画(Plan)を立て、実行し(Do)、結果を振り返り(See)、次の仕事に生かす、というサイクルです。仕事ならまだしも飲み会だと聞いているこちらまで面倒な気持ちになってきます。
「その後、同期と企画書を書いたのですが『みんなで仲良く飲んで、1年の疲れを癒す』くらいしか書くこともなくて……。でもそれだと企画書はスカスカで全然埋まらないので、無理やり文字数を増やして、必死で企画書を作りました」
再度、飲み会のことで1時間も取られ……
なんとか、飲み会の企画書を書いてYさんに提出をしたという葵さん。すると、Yさんからメールで返信がきたと言います。
「再度『飲み会フィードバック』というタイトルで会議依頼がきました(笑)。昼食を自席で食べながら仕事をするほど業務がつまっていたので、このことで1時間も取られることが忌々しかったです。
会議では『PLANに対して、DOがなってない』『予約したお店も余興もおかしい。お互いの理解を深め合うのになんでビンゴなのか』と1時間に渡りフィードバックをされました」
残業後に自宅で余興の準備をするハメに
結局、飲み会の予定はどうなったんでしょうか。
「事前に予約したお店はキャンセルして、いくつか候補をあげてYさんにお伺いを立てたうえで決めました。余興はクイズ大会になりました。メンバーの出身地や血液型・趣味などを当てあうクイズだったので、事前に問題を考えて、回答用紙、答えを用意することになり、さらに仕事が増えました」
葵さんと同期は、残業後にさらに持ち帰ってクイズの問題を作り、パワーポイントで当日の資料を作成したそうです。
「今思えば、Yさんはそんなに仕事ができる先輩ではなく、そもそも業務量も少なく暇だったんでしょうね。そのわりに先輩風を吹かせたいタイプというか。過去5年の自作の飲み会のレポートを持ってきたときは、流石にドン引きしました」