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いくら読書をしてもプレゼンのスキルは身につかない理由

学び

望ましいスキルはビジネスパーソンが決める

 その方法とは、身につけたいスキルをパーツ分解し、コアスキルを見極める。そのコアスキルを反復演習して、話法や行動で身につけていく方法だ。私はこれを「分解スキル反復演習(R)」と称している。

 プレゼンテーションスキルを表現力と構成力とに、表現力をボディランゲージと口頭表現とに、ボディランゲージを顔の表情と体の表現とに分解する。

 顔の表情を、目の表情、口元の表情、頬の表情……というように分解していく。そして、このように分解したパーツのどのスキルを高めると、プレゼンテーションスキル全体を高める効果があるか、そういうコアになるスキルを見極めるのだ。

 そして、コアになるスキルを見極めて特定するのは、理論でも学説でもない。ほかならぬビジネスパーソンがどのように受け止めるかによる。

 私の演習に参加する年間3000人のビジネスパーソンに聞くと、プレゼンテーションスキルを発揮するためにもっとも効果を及ぼすのは、目の表情だと答える人がもっとも多い。目の表情もさらに分解していく。

分解スキル反復演習でスキルを体得する

モチベーション

 目の表情を相手を何秒見つめ続けて話すかというアイコンタクトの秒数にまで分解するのだ。何秒のアイコンタンクトが相手を引きつけやすいか、それも研究者や学者が決めるものではなく、ビジネスパーソンが決める。私の演習では、演習参加者に自分のアイコンタクトは何秒なのか確かめてもらう。

 その方法は、2人1組になって1分ずつ自己紹介を行って、各々自己紹介をスマートフォンで自撮りする。

 自己紹介を終えたら、自分で録画をみて、アイコンタクトが何秒だったかを計測する方法だ。計測すると、1秒から10秒を超えて見つめ続けるものまで、さまざまな秒数でアイコンタクトしていることがわかる

 そこで改めてビデオを見返してもらい、長いアイコンタクトと短いアイコンタクトでは、相手に与える印象がどう違うかを感じ取ってもらう。長いアイコンタクトだと、本人は一生懸命やっているだけなのに、相手からは押しつけがましいと思われてしまうことが多い。

 一方、短すぎるアイコンタクトだと、本人はそのようなつもりはないのに、相手にあまり関心がないというように受け止められてしまうことが多い。そこで、相手にスマートだと思われて、相手が引き込まれやすいアイコンタクトの秒数を答えてもらうと、日本のビジネスパーソンの答えでもっとも多いのは2~3秒程度なのだ

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