英語にもあいまいな表現はある。「そこそこ良い」はなんて言う?
Decentという単語に聞き覚えはありますか?
辞書で調べてみるといろいろな意味が載っています。「きちんとした」「見苦しくない」「礼儀正しい」「かなり良い」など。これらの訳を見るだけで、プラスのイメージの単語であることはわかります。
しかし、よく考えてみると、「見苦しくない」と「かなり良い」は程度に大きな差があります。この幅の広さこそが、Decentという単語の特徴です。時には曖昧でありながらも、時には最上級の誉め言葉にもなります。
どの程度、褒めているのか?
【第22回】Decent
一般的な会話でよく使われるの意味は、「悪くない」から「そこそこに良い」というレベル。テストでDecentな得点は100点ではありません。85点から90点程度でしょうか。
レストランで外食をした友達に「食事はどうだった?」と聞いた答えがIt was decent.であれば、「また食べに行きたい」「美味しい」レストランです。今までで一番のレストランではないでしょう。でも結構のレベル。これらはどれも「そこそこに良い」「結構良い」という意味ですね。
Decentは大げさな表現を避ける時にも使われます。土地の大きさがDecent sizeであれば、かなり大きな土地でしょう。前述のテストの得点でも、遠慮した表現でDecentを使ってDecent gradeと言えば、95点かもしれません。
She goes to a decent college.と娘のことを話す場合、それがハーバード大学やオックスフォード大学である可能性もあります。
ファッションについて「decent」と聞かれたら
外出するときに、Do I look decent?と聞くことがあります。自分の服装について、「これで大丈夫?」という意味です。
これは決して「結構良い」服装ではなく、Good enough「これで十分」程度の服装。向かう先がフォーマルなパーティーであれば自然と格式ある服装になりますが、友達とのちょっとした集まりであれば、Tシャツではなく襟のあるシャツにする、といった程度のカジュアルな服装でしょう。
宅配便が届いて、Can you get the door? I don’t look decent.「出てくれる? 自分はDecentじゃないから」と家族に言えば、まだパジャマ姿かもしれません。宅配便の荷物を受け取るのに不十分な身なり、という意味ですから、決してスーツが求められているわけではありません。