海外就業で成功するために必要なのは「日本人と仲良くなること」
2:決裁との飲みの場でビジネスチャンスが動く
先ほどの話にも通じますが、日本人コミュニティの「飲み会」はさらに大切なビジネスチャンスです。とりわけ取引先が現地法人ではなく、現地の日本法人である場合、海外で働いている日本人が、現地での「決裁者」である可能性が高いからです。
その人をおさえてしまえば、ビジネスの商談時よりも良い話ができます。なんならアルコールも入っているので、OKサインが出やすいかもしれません。
実際、僕もインドの旅行会社で働いていた時は「ソフトボール部」にも入部し、毎週土曜の朝は練習に顔を出していました。目的はソフトボールが好きということもありますが、前述の「情報獲得」と「ビジネスチャンス」のためでした。
実際、飲み会の席で日本の本社からやってくるビジネスマンの「ビジネストリップ(海外出張旅行)」の手配や、インド国内旅行のツアーの申し込みなども受注できました。
このように現地の人たちより「現地の日本人コミュニティ」にどっぷり浸かったほうが質の高い情報を得られ、生き抜くことができます。海外でビジネスをするのに、こういったことに抵抗を感じる人は早く帰国したほうがよいです。
外国語より日本語をマスターすべき
つまり、海外のビジネスでは滞在先の母国語より、日本語のほうが大切です。海外就職でもお客さんは日本人の可能性が高いし、日本人コミュニティ内では日本語で十分のためです。
もちろん、従業員とのコミュニケーションや生活する上で、その土地の言語を理解する必要がありますが、正直なくても生きていけます。僕もインドにいましたが、インドの言語は「ナマステ」以外覚えませんでした。生活をする上で必要な語学力は、日本で学べることとさほど大差はないかと感じます。
最後に「生きた情報」を効率よく学ぶには
海外留学する人の多くは「語学を使いたい」「外国人と異文化交流しながら仕事したい」と、強く志望していると思います。
しかし、そのためには生きた情報を自ら獲得していく必要があります。限られた時間の中で効率よく情報を獲得するのは、アナログ的に感じますが、現地の日本人とのコミュニティを育むことが一番良いです。
僕の友達にブラジル、ロシア、アメリカ、中国などで駐在経験がある人がいますが、彼も似たようなことを言っています。
そう言われて「日本から離れてまで、いろんな日本人とコミュニケーションしないといけないなんて面倒くさい!」という人には海外就職・生活はおすすめしません。もし海外留学をしたいと思っても、日本で就職して、海外ドラマで勉強したほうが幸せに過ごせると思います。
<TEXT/中村慎吾>