本を読んでも忘れる、SNSは垂れ流し…じゃダメ。成長するアウトプット術とは
せっかく本を読んだのに、数日経つと内容を思い出せない、なんてことはありませんか? もしそうであれば、自分の中に知識を蓄えたつもりになっているだけで、知識が全て素通りしているのかもしれません。
『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)の著者で精神科医の樺沢紫苑さんは、「できる人ほど、アウトプットを重視している」と断言しています。同書は30万部のベストセラーになっているそう。
アウトプットしなければ現実は変わらない
インプットとは、脳に情報を入力することです。本を読んだり、勉強会に行ったり、映画を見たりすると、脳の中の情報や知識がインプットされ、脳内世界が変化します。しかし、いくらインプットしても、アウトプットしなければ、目の前の現実は変わりません。
著者は、アウトプットを「脳の中に入ってきた情報を脳の中で処理し、外界に出力すること」と定義しています。毎日3時間以上の執筆を11年間、毎日発行するメルマガを13年間、毎月2回以上のセミナー開催を9年間続け、なのに18時以降は基本的に仕事を切り上げているそうです。どうして高い生産性を保ったまま、効率的に仕事ができるようになったのか。
<アウトプットの方法を工夫し、インプットとアウトプットのバランスを整え、学びと自己成長のスピードを最大化することに成功したからです>(P7)
つまり、アウトプット力は、誰でも鍛えられるということです。
成長を促すアウトプットの基本原則4つ
同書では、自己の成長を促すためのアウトプットの基本原則を解説しています。
基本法則1:2週間に3回使った情報は、長期記憶される
人間の脳は「重要な情報」を長期記憶として保存し、「重要でない情報」は忘れるように作られているそうです。脳に「重要な情報」だと認識させるためには、何度も情報を使う機会を与えてあげなければいけません。
基本法則2:出力と入力のサイクル『成長の螺旋階段』
もちろん、アウトプットをする前には、インプットが必要となってきます。インプットとアウトプットを繰り返すことによって人は螺旋的に成長することができます。本を読んだら、人に話す。セミナーに行ったら、ノートに書き出す。映画を見たら、レビューを書く。
著者はこれを「成長の螺旋階段の法則」と名付け、最強の学習法だと推薦しています。
基本法則3:インプットとアウトプットの黄金比は3:7
一方で、多くの人はインプット過剰の状態に陥っており、逆にアウトプットが欠乏している状態にあるといいます。コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ氏の研究では、インプットする時間の2倍をアウトプットする時間に割り当てた時が最も記憶されているという結果が出ているそうです。
インプットばかりの学習よりも、実際に手を動かして問題集を解いたりする方がよっぽど学習の効果が高いのです。
基本法則4:アウトプットの結果を見直し、次に活かす
インプットとアウトプットの繰り返しに加えて、フィードバックの作業が自己成長には欠かせません。いわゆる見直し、改善、方向修正、原因究明、などと呼ばれているものです。疑問や違和感などは決して放置せずに、解決する癖をつけるのが大事です。
これらの法則が、同書ではよ詳しく論じられています。