いつまでも仕事が終わらない人が陥る「先延ばしグセ」の治し方
締め切り間近の“やりかけ仕事”がある。
今のうちに残業して仕上げておけばあとが楽なのはわかっているけれど、「まあ、今やらなくても、明日でもいいか」「だから今夜は飲みに行こう。溜まっているDVDを見よう――」などは多くのビジネスパーソンにとって“身に覚えのある”シチュエーションでしょう。
でも思い出してみてください。そのとき「飲んでいても、イマイチ盛り上がれない」や「映画を見ても、話が頭に入ってこない」といった“なんとなく心ここにあらず”という感覚を経験したことはありませんか。
テレビでも活躍するメンタリストDaiGOさんの著書『先延ばしする人は早死にする!』(世界文化社刊)によると、「先延ばし」は仕事だけでなく、金銭や健康へのリスクも孕んでいるといいます(以下、本人寄稿)。
脳に居座る「やらなきゃ」という気がかり
私たちの脳には、「やり遂げたタスク」より「未完のタスク」のほうをより強く覚えているという特性があります。
仕事をすべて終わらせて遊びに行くとスッキリするのに、やりかけのままでは楽しめない。これは、未完の仕事が「気がかり」という無意識の記憶となって脳の片隅にずっと居座ってしまうからです。
つまり、仕事を忘れて遊んでいるつもりでも、脳は無意識に「残してきた仕事」と「遊び」の両方を同時に考えているのです。
この状態は、複数のことを同時にこなすマルチタスクが苦手な脳にとって大きな負担になります。そして、先延ばしが常習になっている人の脳は、その負担で慢性的な疲労状態に陥ってしまうのです。
“頭が冴えた状態”をキープするには
常に複数の気がかりを抱えていると注意力が分散して集中力が低がる。集中力が下がることによって、状況変化に合わせる柔軟性もさがり、思わぬトラブルが起こったときなどに正しい判断ができなくなり、記憶力や理解能力も下がります。
無意識に居座った気がかりで疲れきった脳では、いざというときに必要な能力を発揮できなくなってしまいます。
逆に言えば、仕事をやりかけにせずにさっさと終わらせてしまえば、脳に余計な気がかりが残すこともなくなります。脳への負担も減って、集中力や状況判断力、記憶力や理解力もアップし、常に“頭が冴えた状態”をキープすることができる。
「先延ばしばかりしている人=仕事がデキない人」「すぐやる人=仕事がデキる人」と言えるでしょう。